クリプトパンクの非代替性トークン(NFT)が5620万ドルで売却されたと報告されているが、NFTの専門家はこれが新たなミームコインのための巧妙なマーケティング戦略に過ぎない可能性があると指摘している。

10月3日、SNS上でPunk1563が2万4000ETHで購入されたとの情報が流れた。これはオープンシーのデータにも示されている。

この5620万ドルの取引額は、2022年2月のNFTブーム時に支払われた最高額の2倍以上に相当する。しかし、Punk1563の売却には見た目以上の背景があるようだ。

OpenSea

Source: CryptoPunks Bot

フラッシュローンによる偽の売却Flash loan fake sale

オンチェーンデータを詳しく見ると、Punk1563を購入したとされる「買い手」は、実際には自動マーケットメーカー(AMM)プロトコルであるバランサーから2万4000ETHのフラッシュローンを利用して購入していたことが判明した。

取引が完了すると、「売り手」のウォレットはその2万4000ETHをすぐにバランサーに送り返している。これは通常のNFT購入としては奇妙な取引だ。

NFTは所有者を変え、2万4000ETHが1つのアドレスから別のアドレスに送られたが、最終的に買い手が支払ったのはガス代と契約実行コストとしてわずか54ドルだった。

OpenSea

 Source: Etherscan

仮想通貨ウォッチャーの0xQuitによれば、この巨額のNFT取引は「カマラ・ハリス・パンク」ミームコインの宣伝を目的としたマーケティング戦略であるようだ。

0xQuiは10月3日のX投稿で、このPunk1563は7日以内に最高入札者に売却される予定であり、NFTまたはミームコインに興味を持つ人をターゲットにしていると指摘する。

「要するに、2万4000ETHは、基本的にプレセールを宣伝するための広告にすぎない」という。「名前やピエロメイクから政治的なメッセージもあるかもしれない」と0xQuitは付け加えた。

フラッシュローンを利用したNFT売却に関しては、今回の取引は最大規模ではない。2021年には、ある投資家が5億3200万ドルのフラッシュローンを利用してPunk9998を購入し、すぐにAMMに返済した。

当時、この巨額の取引は大きな注目を集めたが、クリプトパンクの開発元であるLarva Labsは、この取引を正当なものとは認めないとし、多くの大手NFTプラットフォームもこの見解を採用した。

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