2700ドルから反落したイーサリアム テクニカル的には2300ドルまで下落する恐れも

イーサリアムの価格は10月21日に2,768ドルの水準に達した後、抵抗に直面した。取引所での供給増加、ネットワーク活動の低下、弱気のテクニカル的指標といった要因が上昇を抑制した。

ETHコインベース指数は売り圧力を示唆

ETHコインベースプレミアム指数は10月21日に14日間単純移動平均（SMA）を下回り、近い将来の売り圧力を示唆している。

ETHコインベースプレミアム指数は、コインベースプロとバイナンスでのイーサリアムの価格差を測定し、米国の投資家需要を世界のほかの地域の需要と比較する指標として使用される。

以下のチャートは、コインベースプレミアム指数が14日間SMAを下回ったときにETH価格の調整が発生したことを示している。現在、この指標は-0.075であり、14日間SMAは-0.040だ。

「米国市場では売り手が優勢だ」とクリプトクアントは指摘する。「ETHコインベースプレミアム指数が14日間SMAを下回ると、米国の売り圧力が増加し、価格の下落につながる可能性がある」。

取引所でのETH供給の増加も、弱気派のもう1つの論拠だ。クリプトクアントのデータによると、10月21日にイーサリアムの取引所残高は4週間ぶりの高水準である1580万ETHに達した。

中央集権型取引所のウォレット間の流入と流出の総残高は、10月15日から10月20日にかけて急増しており、取引プラットフォームへの入金が急増し始めた。

取引所でのETH供給の増加は、投資家が自己保管ウォレットから取引所にトークンを送金し、売却の意図を示していることを意味する。

Defilamaのデータによると、イーサリアムの総ロック価値（TVL）は6月中旬以降減少している。

イーサリアムネットワークのTVLは、6月3日の年初来ピークである660億ドルから8月5日には57%減少し、423億ドルに達した後、現在の480億ドルにまで上昇している。

DefiLlama のデータによると、イーサリアムのTVLは過去30日間で2%以上減少しており、同期間に22%のTVL増加を見せたソラナなどの他の主要レイヤー1プロトコルのパフォーマンスを下回っている。

TVLは、イーサリアムのDeFiエコシステムに対するトレーダーの関心を反映している。その現象は、比較的高い取引コストのため、特に新しいプロジェクトを開始しようとするユーザーを引き付けることができないことを示している。

イーサスキャンのデータによると、イーサリアムの手数料は11.492gwei（約0.62ドル）と一貫して高く、現在のソラナの平均0.000091SOL（約0.015ドル）の取引手数料よりもかなり高い。

10月10日から10月23日までのETHの価格動向は、日足チャートで逆V字型パターンを形成した。イーサリアムの価格が2,327ドルから19%急上昇し、2,800ドルの心理的水準で抵抗に直面した後に、このパターンが現れた。

弱気派はこの上昇で利益を確定し、現在の水準への急激な調整を引き起こした。価格が逆V字型パターンを完了しようとする中、現在の価格からパターンのネックラインである2,300ドルのゾーンに向けてさらに9.7%下落する可能性がある。

一方、相対力指数（RSI）は、過去3日間で67から52に減少し、市場状況が弱気に転じたことを示唆している。

逆に上昇に転じる場合、注目すべき主要水準は2,660ドルの200日間EMAと、その後の2,768ドルの直近に付けた高値となる。

本記事の見識や解釈は著者によるものであり、コインテレグラフの見解を反映するものとは限りません。この記事には投資助言や推奨事項は含まれていません。すべての投資や取引にはリスクが伴い、読者は自身でリサーチを行って決定してください。