yearn.finance(ヤーン・ファイナンス)のYFIトークンは7月にローンチされてからちょうど1ヶ月がたった。以来、このイールド・アグリゲーティング・プラットフォームがロックした合計は6億1100万ドル(約642億円)まで上昇した。

過去3日間でYFIの価格は12800ドルまで上昇し、8月13日に3005ドルで底値を打ってから330%も上昇。ビットコインと並ぶ価格に達した。

yearn.financeはDAIやUSDTといったステーブルコインを預け入れ、コンパウンド(Compound)やAave、dYdXといったレンディングプロトコルの中から最適なサービスを選んで貸し出しする分散型アグリゲーティングプラットフォーム。yearn.financeに預け入れたトークンは利子がつけられ、収益性が高いレンディングプロトコルに定期的にリバランスされる。

YFIの最近の上昇の背景にはyInsure Financeのリリースや関係者による誇大広告、分散型金融(DeFi)の爆発的な成長が継続しているという3つの要因があるようだ。

YFI/USDT 4-hour chart. Source: TradingView.com

(出典:トレーディングビュー「YFI/USDT 4時間足チャート」)

yinsure.financeが開始

8月17日にyearn.financeの開発チームはyinsure.financeと呼ばれるトークン化された保険プラットフォームをリリースした。ユーザー資金を保護することが目的だ。開発チームは以下のように述べている

「今後数週間かけて、新しい種類のトークン化された保険のプロトタイプであるyinsure.financeをリリースしていく。」

ベンチャーキャピタルの投資家は今月初めに、保険がDeFiの次の大きなカテゴリーになることを示唆していた。

仮想通貨ファンド「パラダイム」の共同創業者であるフレッド・エルサム氏はプロトコルとDAOをカバーするオンチェーン保険は大きな市場に発展する可能性があると指摘した。エルサム氏は次のように述べている。

「クリプトネイティブ保険ープロトコルとDAOをカバーするオンチェーン保険は、DeFiの次の大きな金融プリミティブになるだろう。巨大な市場に成長し、初期のウェッジは信頼性がある。誰が問題を解決しても、現在の価値で数十億をサポートするDeFiの基本的なブロックを構築できる。そしてシステムにコミットしたいと考えるユーザーや投資家、トレーダーが増加することで、より広範囲の利用をアンロックできる」

yEarn.Financeによるオンチェーン保険という比較的新しい市場への参入は、YFIを取り巻くセンチメントにポジティブな影響を与えているようだ。

YFIに期待

このほど、DeFiプロトコルであるYAMが暴落したことで、YFIの価格も連れ安となり、大幅に下落した。ただ、YFIはここから急速に回復したことで業界関係者から注目を集めている。

最近では仮想通貨取引所ビットメックスのアーサー・ヘイズCEOがYAMやBasedなど様々なDeFiプロトコルを模索している。ヘイズ氏は以下のようにツイートしている。

「私のメタマスクと私は今朝忙しい。Yearn。ヘタレどもいくぞ。YFIからファッキンムーンだ!」

DeFiセクターの成長が加速

8月17日にDeFiエコシステム全体のロック総額が64億ドルを突破し、メーカーやAave,Curveがすべて10億ドルを突破した。

前述の通りm、DeFi市場の拡大によってyearn.financeにロックされた総額は6億ドルを突破した。yearn.financeのイールド・アグリゲーション・プラットフォームに大量の資本が流入していることが、YFIが拡大する要因となっている。

新製品の発表とDeFi市場の拡大、そしてyearn.financeで急速に拡大するユーザーベースによってYFIの価格が上昇している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン