今週の初めに、新たなるブロックチェーンの歴史が始まった。Snapshot上のプロポーザルに対し、2,560を超える分散型自治体(DAO)による投票が行われ、「Panther Protocol(パンサー・プロトコル)」がプライベートかつ分散的にでローンチされることが決定した。これは、分散型金融(DeFi)エコシステムにネイティブなプライバシーを導入したいというPantherのミッションが前進したことを示しており、この種のイベントとしては実に初めてのものである。また、このシステムは、仮想通貨業界で初めてデプロイされたプライベートガバナンスシステムだ。

Pantherによる分散的かつプライベートなローンチ

完全に分散化されたプライベートローンチを実現するために、Panther愛好家コミュニティは、独自の最先端の技術スタックを使用。パブリックおよびプライベートトークンセールのための本人確認を完了したユーザーなら、匿名で参加認証が取れるゼロ知識証明の発行を可能とするシステム、「LaunchDAO」を導入した。この証明を利用して、個別認証されたユーザーは、イーサリアムまたはポリゴンのいずれかでプロトコルをローンチするかどうかを個人的に投票することができた。

99%以上の賛成票を得たことで、Pantherチームはこのローンチが業界全体にとって好ましい前例となることを期待している。プライベートかつ分散的にローンチすることで、プロトコルは初日からDAOによって管理される。これはすなわち、チーム自体が仮想通貨コミュニティのプロジェクト管理に関する様々な懸念や利害関係から守られるということを意味する。

LaunchDAOは、初日から分散化を目指すブロックチェーンや仮想通貨関連のプロジェクトであれば、誰でも利用・導入できるシステムだ。今回の成果とブロックチェーン・エコシステムへの影響について、Panther のCEO兼共同創業者であるオリバー・ゲイル(Oliver Gale)氏は次のように述べている。

「LaunchDAOは、仮想通貨の歴史において、認証を受けたユーザーがプロトコルの将来を投票で決めることができた初めての事例だ。Panther Protocolは今後、LaunchDAOによって個人的に、管理者による承認無しで、導入及びローンチされることになる。さらに、分散型投票システムは、従来のシステムとWeb3システムの両方に応用できる。」

これに対し、Panther Protocolの最高技術責任者兼共同設立者であり、イーサリアム財団やリップル・ラボの元アドバイザーでもあるアニッシュ・モハメド(Anish Mohammed)氏は、次のように付け加えた。

「LaunchDAOの登場は、Panther ZK Revealsの公式デビューも意味している。ZK Revealsとは、各投票者の身元を保護しつつ、ゼロ知識証明を用いて投票者が投票資格を有していることを認証するとともに、投票結果などの機密情報を漏洩することなく投票を行うことを可能にするものだ。」
Panther Protocolをローンチするかの投票は、DAOだけで決められている訳ではないというのも特筆すべき点だ。Pantherコミュニティもまた、プロジェクトのネイティブトークンであるZKPのトークン生成イベントを1月31日まで延期し、チームの準備期間を延長するという選択をしている。そして、この日にコミュニティによる3回目の投票を行い、本イベントを始動する予定だ。このイベントは、Pantherを引き継ぐ者たちがすべてのガス代を負担し、Panther Revealsというゼロ知識証明を使用したオフチェーン投票を用いることにより、ユーザー側にはコストが一切かからず行われる。

Panther Protocolとは?

Panther Protocolは、ブロックチェーンをつなぐエンドツーエンドのプライバシープロトコルで、Web3とDeFiにおいてプライバシーを保つとともに、金融機関がデジタル資産市場に法令遵守をしつつ参加するための明確な道筋を示すものだ。Pantherは、仮想通貨経済のインセンティブとzkSNARKsの技術を活用して、DeFiユーザーに十分に担保された、プライバシー性の高いデジタル資産を提供する。

ユーザーは、Pantherの金庫にブロックチェーンからデジタル資産を預けることで、ゼロ知識証明であるZAssetsをミントすることができる。ZAssetsは、「プライバシー・ファースト」のインターチェーン分散型取引所とプライベートメタストレートを介して、ブロックチェーン間で取引される。それぞれの取引や戦略を、本来あるべき姿である秘匿性の高いものにしたいと願うユーザーにとって、zAssetsが今後拡大し続ける資産となることを、Pantherは心待ちにしている。

本プロジェクトのウェブサイトをぜひ確認していただきたい。
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