市場を分析することは非常に難しい。トレーダーが知るべき仮想通貨のチャート分析とは
コインテレグラフの価格分析の記事を見たことがあれば、仮想通貨が米ドルのような法定通貨に対してどのように値動きをしているかのグラフであることに気づくだろう。
一見、意味のない線が上下しているだけのように見えるが、これらが理解できれば、分析データを見るだけで仮想通貨市場の出来事が価格にどう影響しているのか、さらには今後の値動きを予測できるようになるかもしれない。
チャートによる分析は、コインを売買するか、保持するべきかをの判断に役立つ。トレーダーにとって非常に重要なものだ。
この業界には3種類の分析方法がある。そしてテクノロジーが分析方法を一層利用しやすくしている。
分析という形式が初めて生まれたのは、18世紀のアジアまで遡る。米の価格の変化を構想するのに使われたのがきっかけだ。
テクニカル分析
テクニカル分析では、過去の活動に基づいて統計的傾向を発見し、取引量などの価格変動や、その他の重要な指標を調べる。
テクニカル分析を用いるアナリストは一般に、価格は傾向に従い、歴史はその傾向を繰り返すという原則を持っている。そして価格が近い将来に上がるか下がるかを予測するためにデータを使用する。いわゆる天気予報のようなもので、完全に正確というわけではない。
ファンダメンタル分析
ファンダメンタル分析は、テクニカル分析とは異なるアプローチ方法だ。価格変動からではなく、経済や企業の財務体質などから数字を左右する要因を調べ資産の価値を分析する。プロセスの中から感情を取り除き、市場が仮想通貨の価値を過小評価、あるいは過大評価しているかもしれないという考えをたどり、最終的に補正が施される。
センチメンタル分析
センチメンタル分析は、ジャーナリストやインフルエンサーなど影響力をもつ人々の日常的な消費者の行動を分析する手法だ。パニック販売や爆買いなどのような傾向は、一般大衆の認識と期待感に基づいて事前に把握することができる。一般的な数値データから全てがわかるというのは間違いだ。
チャートはテクニカル分析の一種?
チャートをどう読み取ればいいのか?
チャートの分析方法はシンプルだ。まず、価格分析や仮想通貨取引所でよく見られるチャートは「ローソク足」として価格の変動を表す。
テクニカル分析を実行するときは、24時間ごとの平均値だけではわからない。数日、数週間、また数ヶ月間単位で価格がどのように変化したかを確認する必要がある。
ローソク足を使用すると、1つの取引セッションの中で仮想通貨の価格変動の詳細を確認したり、長期スパンでの比較ができたりする。ローソク足の形は中央に太い長方形が書かれ、この上下に「ひげ」と呼ばれる2本の細い線を持っている。これらは1日単位では日足、週では週足、月では月足と呼ばれる。
下に伸びる細い線(下ひげ)は、取引セッション中の安値を示し、上の細い線(上ひげ)は高値を示す。太いセクションの下部には始値が、長方形の上部には終値が表示される。決められた期間内で始値より終値が高いと、ローソク足は緑色(陽線)になる。
一方終値より始値が高いとローソク足は赤くなる(陰線)。チャートを読むための原則は緑色のローソク足と同じだ。
ローソク足は何世紀にもわたって使われ、テストされてきた見事な発明だ。 そして仮想通貨の価格が頻繁に不安定になることを考えると、一日のうちの時間ごとのローソク足を提供するチャートを確認するのが一般的だ。
チャートの読み方はわかった。次にどうする?
ローソク足にはいくつかの形がある。「ハンマー」「シューティングスター」「トンカチ(逆ハンマー)」「首吊り線」などだ。
「ハンマー」と呼ばれるのローソク足は通常、上ひげが短いか、全くない状態で、下ヒゲが長く表示されている形だ。これは例えば、底値で「ハンマー」が出ている場合は上昇を示すので、買い時とみることができる。
このパターンと反対に上ひげが長く伸びている「トンカチ」としてみることもできる。多くの場合、価格が下落している時に現れることが多い。こうした場合には、好転して再び上昇することもある。
「シューティングスター」は、「トンカチ」と形がよく似ているが、通常、価格が上昇した後に見られるという点で異なる。資産が下落傾向に着手しようとしている可能性があることを示している。
「首吊り線」は、弱気市場の入り口を判断する際に役立つ。価格が上昇トレンドを示した後に現れる。下ひげが長い場合には売り圧力が大きいことを示している。
ローソク足のチャートを読むとき、短期的な見方と長期的な見方を得ること、そして市場のボラティリティから自分自身を守るための対策を講じることが重要だ。通常、ストップロスまたはストップリミットを駆使して達成される。
テクニカル分析に使用される最も一般的な方法とは?
多くのアナリストが、テクニカル分析を使い市場の傾向を明らかにしようとしている。
最も一般的な方法の1つと知られているのが「トレンドライン」だ。価格が高値を更新し続けている場合、もしくは価格が連続して下落している時に、仮想通貨価格の極端な異常値を取り除くことができる。これをローソク足チャートの分析と組み合わせることで、上昇トレンドが継続するのか、それとも下落するのかを明らかにすることができる。トレーダーは短期戦略のあり方を慎重に判断することができるのだ。
これと同様の戦略には、移動平均線と呼ばれるものがある。一定期間内の仮想通貨の一般的な価格の傾向をみるために用いる。1週間か10日、30日、またはそれ以上の期間を見るかどうかは状況次第だ。
テクニカル分析だけに頼っていいのか?
テクニカル分析は間違いなく仮想通貨の分析で最も一般的な形式だが、他の要因も考慮に入れることが重要だ。
テクニカル分析だけでは、価格を上昇または下降させる根本的な要因がわからない。ハッキング攻撃や規制事項、重要な報道、歴史的な合意事項、新しいプロダクトのローンチなど、すべてが価格の傾向を予想するのに役立つ。 それらを全て考慮し、ローソク足がどこに位置するのかを考える。たった1つの分析方法に頼ることはフォークだけでステーキを食べようとしているようなものだ。
市場の動きを分析しやすくするツールは?
一日中チャートを見つめている時間がない場合、代替案がある。
前述したように、通常の価格分析機能ではチャートが作成され、動きを引き起こした要因についての情報が提供される。データはトレーダーやアナリストによって異なる方法で解釈されるため、それぞれが独自の分析に基づいて傾向を取り上げる。したがって、全体像を把握するために、できるだけ多くの仮想通貨ニュースを先取りしておくことをお勧めしたい。
チャートや記事だけでは、仮想通貨市場全体で何が起こっているのかが一目でわかりにくい場合がある。Coin360のようなウェブサイトでは、仮想通貨ごとの量や時価総額を長方形の大きさで可視化し、緑と赤の色は、資産の価格が上昇したのか下落したのかを示している。
リアルタイム価格に加えて、過去1時間、1日、1週間、1か月の変化率も表示される。各仮想通貨にマウスカーソルを合わせると、価格が一定期間にわたって変動した様子を確認することができる。必要に応じて変動履歴をダウンロードすることも可能だ。