フランスのル・メール財務相は、フェイスブックの仮想通貨リブラについて、その存在を容認できないと主張している。ル・メール財務相が17日、英大手メディアのフィナンシャルタイムズにオピニオンを寄稿した。リブラは、民間企業が通貨を発行することになり、「経済的、政治的な理由から受入れられない」と述べている。

「金融安定性と貿易に与える影響を考えれば、私たちは本当に民間企業にそのような力を与えていいのだろうか? 私は、主権国家の最強のツールのひとつである金融政策が民主的コントロールの対象ではない事業体の権限に陥ることを容認できない」

ル・メール氏は従来からリブラに対して強硬な反対意見を述べていたが、改めて詳細に自信のスタンスを示した形だ。

ル・メール氏は、マネーロンダリングやテロ資金供与、消費者保護といった問題のほか、独占の問題や金融安定性への影響に懸念を示した。

その上で、現在の規制枠組みは「これらすべてのリスクを管理する準備ができていない」とし、リブラを使う消費者を保護することはできないと述べている。

その上で、ル・メール氏は、民間企業が政府や中央銀行のように通貨発行することは許されないと強調した。

「フランスのスタンスは明白だ。我々は、主権国家に敬意を払った金融改革を求めている。政治的主権も金融的主権もいずれも、私益と共有することはできない」

欧州でのリブラに対する風当たりは強く、今月初めには、ドイツのオラフ・ショルツ財務相もリブラについて、「極めて懐疑的」だと反対の姿勢を強く示している。

日本時間18~19日には、米ワシントンDCでG20財務相・中央銀行総裁会議が開かれる。仮想通貨リブラをはじめとするステーブルコインの問題も議論される予定だ

【関連記事:ステーブルコインは仮想通貨よりも脅威、FSBが指摘 | G20でリブラ議論へ

【関連記事:独ショルツ財務相、仮想通貨リブラ「とても、とても懐疑的」


翻訳・編集 コインテレグラフ日本版