ロシア発の暗号化メッセージングアプリ「テレグラム」が独自のブロックチェーンTON(Telegram Open Network)とTONの独自トークン「グラム(Gram)」を放棄する方針を発表した。
テレグラムのパヴェル・ドゥーロフCEOが5月12日に出した声明によると、米国規制当局との戦いが背景にある。米証券取引委員会(SEC)は昨年秋に米国投資家へトークン販売が証券法違反にあたるとしてテレグラムに対して訴訟を起こしていた。
「米国の裁判所はグラムが米国だけでなく世界でも分配できないと宣言した。なぜだ?彼らは米国の市民がTONプラットフォームにアクセスするための方法を見つけるかもしれないと指摘した。だからグラムは世界のどこにでも配ってはいけないというわけだ。たとえ米国以外の国がTONに対して完全に問題ないと判断してもね」
その上でドゥーロフ氏は、金融や技術に関しては世界の米国依存状態が続いていると指摘。「残念ながら我々(つまり世界人口の96%)は米国に住む4%に選挙で選ばれた人々の決定に依存している」と批判した。
同氏は以下のようにコメントで声明を締めくくった。
「分散化やバランス、平等に向けて戦う人々に対して幸運を祈る。我々の戦いは正しい。この戦いは、我々の世代で最も重要な戦いかもしれない。我々は失敗したが、あなたは成功することを望んでいる」
一方、元ゴールドマンサックスのパートナーでギャラクシー・デジタル創業者のマイク・ノボグラッツ氏は、新たなブロックチェーンの開発ではなく今すぐビットコインの導入を始めるように進言していた。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン