米国の財務省は11日、ベネズエラの国営仮想通貨ペトロを支援しているとして、ロシアに拠点を持つ銀行に対して経済制裁を発動したと発表した

新たに経済制裁の対象になったのは、ロシア人とベネズエラ国営企業が共同で設立した銀行、EvryoFinance Mosnarbak。米財務省は、米国によるベネズエラへの経済制裁を回避する手段になっていると批判した。

とりわけ米財務省は、「ペトロを支援する第1の国際金融機関として」EvryoFinanceが出現したと指摘。ペトロへの初期投資家は、EvryoFinanceにあるベネズエラ政府の口座に資金を送ることで、ペトロを購入していたという。米財務省は、ペトロを「失敗したベネズエラの仮想通貨」と批判し、EvryoFinanceの関与は、ペトロを使って米国の経済制裁を回避しようとするマドゥーロ大統領の希望を示すものだったと指摘した。

仮想通貨ペトロは、石油に裏付けられた国営の仮想通貨で、去年10月下旬に正式に販売が開始された。ハイパーインフレからベネズエラのボリビアが暴落する中、マドゥーロ大統領が打開策として立ち上げた。ただ、実態が不透明であるという報道もあり、欧米諸国が暫定大統領として支持するグアイド氏はペトロについて「人々をだまし続けるために使われているマドゥーロ政権が作った『冗談のような通貨』」とツイートで批判した。

米国のムニューシン財務長官は、「マドゥーロ政権は、ベネズエラの人々を苦しませることで利益を得る不当な政権」とし、今回の制裁によって米国が「不当なマドゥーロ政権を維持させ、ベネズエラの人々を苦しませる経済崩壊と人道的危機に貢献する国際的な金融機関」に対して行動を取るということを示したと話した。

翻訳・編集 コインテレグラフ日本版
原文 US Sanctions Moscow-Based Bank Accused of Financing Venezuela’s Controversial Petro