サンフランシスコに拠点を置くブロックチェーン決済企業のリップル社と米証券取引委員会(SEC)の和解の可能性について楽観的な見方が出ているため、XRP価格は対ビットコイン(BTC)で急騰している。

リップル訴訟で和解の可能性浮上

9月23日、XRP/BTCペアは0.00002132から13ヶ月ぶりの高値となる0.00002877まで急騰し、1日で対ビットコインで35%の価格上昇となった。一方、同じ時間枠でXRPは対米ドルで42%も上昇した。

XRP/BTC and XRP/USD daily price chart. Source: TradingView

リップル社が証券法違反を巡る裁判で、リップル社とSECが9月12日に法廷に略式判決を求める申し立てを行った後、XRP市場の大きな価格変動が現れ始めた

つまり、リップル社とSECは、リップル社がXRPを売却して違法に資金調達を行ったかどうかについて、利用可能な証拠を用いて2022年12月までに評決を出すべきと合意したことになる。

XRPの価格は、この略式判決の申し立てがあって以来、対ビットコインおよび対ドルに対してそれぞれ約75%と60%急騰しており、リップル社に有利な判断となる可能性を楽観視していることが要因となっている。

リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOが9月22日に行われたFox Businessとのインタビューで同様の見方を示したことから、買いがさらに加速した。

ガーリングハウス氏は次のように発言している。

「人々は、SECが行き過ぎであり、結果を求めるあまりに法律に忠実に従っていないことに気づいている[...]  SECは道を失っているようなものだ」

XRPのサメとクジラ

また5月以降、裕福な投資家が一貫してXRPトークンを蓄積している中で、価格高騰が起きている。

Santimentのデータによると、100万XRPを持つサメや1000万XRP以上を持つクジラの割合は、2020年12月31日の5.43%から、2022年9月23日には6.35%へと上昇している。

「100万~1000万の$XRPを保有するアクティブなサメ&クジラのアドレスは、2020年後半から蓄積パターンに入っている」

Active XRP shark and whale addresses. Source: Santiment

一方、この期間には、1000万以上のXRPトークンを持つエンティティが供給量に占めるシェアが過去最低の70.75%へともなっている。

痛みが先行?

リップル社対SECの判決を控えて、トレーダーは噂で買っているようだ。しかし、その後、判決の結果次第で「ニュースで売れ」に変わるかどうかは不明だが、XRPのテクニカルは調整の可能性を示唆している。

注目すべきは、XRPがすでにビットコインやドルに対して買われすぎの資産になっていることだ。

XRP/BTCの相対力指数(RSI)は9月23日に85近くに達し、強い価格調整または保ち合いの前に通常見られる「買われすぎ」の基準値70を大幅に上回っている。

XRP/BTC は、以下のチャートに示すように、13ヶ月ぶりのピークから既に10%近く調整されている。同ペアは現在、短期サポートとして0.00002601をテストしており、これを下方にブレイクした場合、主要なダウンサイドターゲットとして0.00002079を試すか、年内に現在のレベルから20%下落する可能性がある。

XRP/BTC daily price chart. Source: TradingView

一方、XRPは、下図のように数カ月にわたる下降トレンドラインのレジスタンスラインに触れた後、対ドルでも同様の急激な調整を示している。

XRP/USD three-day price chart. Source: TradingView

トレンドラインのレジスタンスからの反落が長引いた場合、XRPは次のダウンサイドターゲットとして目先の水平トレンドラインのサポートを試すことになるかもしれない。つまり、XRP/USDペアは2022年末までに、今日の価格から40%近く下落し、0.31ドルまで下落する恐れがある。