サム・バンクマン-フリード氏が連邦拘置所に戻った。彼は7つの罪状すべてで有罪判決を受けた。しかし、彼の弁護士たちはまだ戦いは終わっていないと語っている。
バンクマン-フリード氏の弁護士マーク・コーエン氏は11月2日の声明で、「バンクマン-フリード氏は自身の無罪を主張し、自身に対する告発に対して粘り強く戦い続ける」と語った。バンクマン-フリード氏がその言葉通り行動すれば、彼は判決後に控訴することになるだろう。最初のステップは、FTXの共同創設者が有罪判決を受けた米ニューヨーク地方裁判所に控訴通知を提出することだ。
バンクマン-フリード氏は11月2日にニューヨークで陪審員から有罪判決を受けた。ダミアン・ウィリアムズ検事は、バンクマン-フリード氏の犯罪を「米国史上最大の金融詐欺の1つ」であり、「自身が仮想通貨の王になるために何十億ドル規模の犯罪を実行した」と呼んだ。
バンクマン-フリード氏は、3月11日に行われる予定の新たな刑事裁判で、収賄共謀罪、無許可の送金業務運営での共謀罪、銀行詐欺共謀罪、デリバティブ・証券詐欺の共謀罪など5つの罪で告発される可能性がある。ニューヨーク地方裁判所のルイス・カプラン判事は、検察側に対して2024年2月1日までに第2の刑事裁判を行うかどうかを確認するよう求めた。裁判が始まる場合、バンクマン-フリード氏は有罪を認める選択肢を持っており、それにより彼の刑期が短縮される可能性がある。
今回の有罪判決については、検察官は3月15日までに求刑を行い、バンクマン-フリード氏は2024年3月28日に判決を受けるために再び裁判所に現れることになる。そこでカプラン判事がバンクマン-フリード氏がどれだけの刑期を務めるかについて最終的な決定を下す。バンクマン-フリード氏が彼の罪に対する最大刑を全て連続で服役するとなれば、彼は最長で懲役110年になる。しかし、カプラン判事はバンクマン-フリード氏が刑を同時に服役することを決定することもできる。、それでも電信詐欺や電信詐欺共謀罪、マネーロンダリング共謀罪だけでも、それぞれ最高で20年の刑が科せられる可能性がある。
元連邦検察官で現在は仮想通貨ベンチャーキャピタリストのキャスリン・ハウン氏は11月2日のX(ツイッター)投稿で、「バンクマン-フリード氏はおそらく何十年もの間、刑務所にいることになるだろう」と述べた。
一方、バンクマン-フリード氏は保釈条件を破ったため、8月11日からブルックリンのメトロポリタン拘置所で服役している。裁判前のバンクマン-フリード氏は薬やビーガンフードがないと拘置所生活に不満を漏らしていた。
バンクマン-フリード氏の裁判が始まる1週間前の9月、弁護士たちは彼の刑期がどれほど長くなるかについて予想を行っている。
ローヴィー&ローヴィーのパートナー、マイケル・カノヴィッツ氏は、もしバンクマン-フリード氏が有罪となったら、「彼は最大刑を受けるだろう」と述べた。ホーガン&ホーガンのパートナー、ジェレミー・ホーガン氏は、バンクマン-フリード氏が最長110年刑を受けることはないかもしれないが、「彼はかなりの時間、刑務所にいることになるだろう」と予測した。ホーガン氏は細かい予測はできないとしつつ、「長い期間になるだろう。10年以上だ」と語る
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン