仮想通貨とブロックチェーンの投資企業であるトークンズ・ドットコム(Tokens.com)は、メタバース不動産会社メタバース・グループの株式50%を取得した。取得額は160万ドルを超え、仮想不動産会社としては最高額の買収となる。

トークンズ・ドットコムは、今回の買収がNFT(ノンファンジブル・トークン)やDeFi(分散型金融)への投資を求める一般の個人投資家向けの資産機会につながるとしている。

メタバース・グループは、物件の取得、開発、管理に加え、マーケティングやプロモーションを行うなど、従来の不動産会社と同様のサービスを提供。しかし、ブロックチェーン技術やゲーム、NFTなど、メタバースを構成する様々な技術を採用している点で、大きく異なっている。

「メタバース」という言葉には、まだ統一された定義は定まっていない。ただ今のところは、ユーザーが交流できる3次元の仮想環境のことを指す技術とされる。フォートナイトやロブロックスなどのゲームの他、アーネスト・クラインの小説「レディ・プレイヤー1」はメタバースに関する洞察を与えてくれるものだ。

メタバース・グループは、ディセントラランドやサンドボックス、ソムニウム・スペースなど世界で最も人気のあるメタバースゲームの中でも特に評価の高い土地や物件を所有している。本社はディセントラランドのCrypto Valleyにある。

トークンズ・ドットコムのCEOであるアンドリュー・キグエル氏はメタバースについて、次のように語っている。

「メタバースは、広告主やブランドが製品を販売する方法を大きく変えるものだ。より多くの人々が仮想都市に集まるようになると、その土地は新しいグローバルな人々にリーチできる。メタバース・グループは、物理的な不動産管理者が使うのと同じ戦略を使うことで、主要な土地所有者や開発者になる可能性がある」

メタバースをめぐっては9月、巨大ハイテク企業であるフェイスブックが、5,000万ドルの研究開発基金を設立した。同社は、10年以内に様々な製品やサービスを含む本格的な仮想世界を構築するという野心を表明した。