オンチェーン調査員のZachXBTによると、仮想通貨取引所バイビットで発生した14億ドル規模のハッキングの主犯とされるラザルス・グループは、ソラナのミームコイン詐欺にも関与している可能性があるという。Pump.funプラットフォーム上で発生した「ラグプル」などの不正行為が、このグループと結びついているようだ。

仮想通貨業界は2月21日、史上最大規模のハッキングに見舞われた。バイビットがリキッド・ステークド・イーサ(stETH)、マントル・ステークド・イーサ(mETH)などのデジタル資産を含む14億ドル以上を喪失した。

ブロックチェーンセキュリティ企業のアーカム・インテリジェンスを含む複数の調査機関は、北朝鮮のハッカー集団であるラザルス・グループがハッキングを実行した可能性が高いと指摘している。

さらに、ZachXBTによれば、バイビットの盗難資金を資金洗浄しているとみられる同じ組織が、ソラナのPump.fun上で最近立ち上げられた一部のミームコインにも関与している可能性があるという。

「2月22日、攻撃者はバイビットのハッキングによって得た108万ドルを0x363908df2b0890e7e5c1e403935133094287d7d1へ送金し、その後USDCをSolanaへブリッジした」とZachXBTは2月23日にテレグラムの投稿で述べた

この資金100万ドルは、その後複数のソラナウォレットに分散され、その一部は過去にミームコイン詐欺と関連があったという。

「ハッキングに関連する資金を受け取った920以上のアドレスを調査したところ、ラザルス・グループの資金洗浄に関与した人物が過去にPump.funを通じてミームコインを発行していたことが判明した」とZachXBTは述べた。

さらに、ZachXBTのオンチェーン調査によると、ハッキングに関与したとされるラザルス・グループ関連のウォレットは、1月に発生した2900万ドル規模のPhemexのハッキングにも関与していたことが判明している。

ソラナ、ミームコイン詐欺とラグプルの横行

ラザルス・グループがソラナのPump.funプラットフォームと関係を持っていることは、ソラナブロックチェーン上で最近発生しているミームコイン詐欺の急増を考えると驚くことではないだろう。

アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領が支持を表明したリブラ(LIBRA)トークンの急騰と急落を受け、投資家心理は大きな打撃を受けた。このプロジェクトの関係者は、ラグプルを仕掛け、1億700万ドル以上の流動性を抜き取ったとされており、その結果、価格は数時間で94%暴落し、投資家資本の40億ドルが消失した。

グラスノードがコインテレグラフに提供したデータによると、ソラナ(SOL)への月間資本流入額とソラナのMEMEインデックスは、月間-5.9%のマイナス成長に転じている。

Market: top asset realized cap percent change, 30-days. Source: Glassnode

ソラナのユーザー活動も減少している。2月のネットワークのアクティブアドレス数は、週間平均950万件となり、2024年11月の1560万件から40%近く減少した。

Solana active addresses. Source: Glassnode

GlassnodeのシニアアナリストであるCryptoVizArtは、コインテレグラフに対し「ソラナの活動は大幅に冷え込んでいるが、強気相場前の水準よりは依然として高い」と指摘した。

ソラナの高度な技術は中立的なものではあるが、悪意あるアクターや内部の不正行為を引き寄せる要因にもなっている。しかし、ブロックチェーン研究者のAyloは2月18日のX(旧Twitter)投稿で、これらの問題が長期的にはソラナの成長にとってプラスに働く可能性があると述べた