23日の仮想通貨相場は、16日に始まった上昇相場の流れに乗って推移したものの、ビットコイン(BTC)と主要アルトコインとのパフォーマンスに乖離が見えた。仮想通貨市場の時価総額に占めるビットコインの割合は、去年12月以来の水準を記録した。

Market visualization from Coin360

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 ビットコインは、執筆時点で7740ドルで推移していて、過去24時間で3.17%上昇した。仮想通貨市場の時価総額に占めるビットコインの割合は、46%を超えて今年最高、去年12月22日以来の水準になった。当時のビットコイン価格は、約2万ドルだった。

Percentage of total market cap (dominance) from CoinMarketCap

Percentage of total market cap (dominance) from CoinMarketCap

 また週ベースと月ベースで見てもビットコインはプラスになっており、それぞれ約15.8%と24%を記録した。

 

Bitcoin 7-day price chart. Source: Cointelegraph Bitcoin Price Index

Bitcoin 7-day price chart. Source: Cointelegraph Bitcoin Price Index

 一方イーサリアム (ETH)は、最近の上昇幅を持ちこたえることができず、執筆時点で452ドルで取引をしている。過去24時間で2.55ドル下落した。18日に510ドルをつけたが、20日には444ドルまで下げていて、現在少し持ち直した形だ。イーサリアム は、週ベースで見ると5.66%、月ベースだと6.42%のマイナスを記録している。

High point in Ethereum’s 7-day price chart. Source: Cointelegraph Ethereum Price Index

High point in Ethereum’s 7-day price chart. Source: Cointelegraph Ethereum Price Index

 仮想通貨の時価総額トップ10のうち、ビットコイン以外は全て過去24時間で1〜5%下落した。IOTA(MIOTA)は3.7%のマイナスで執筆時点で約0.95%で推移している一方、カルダノ(ADA)は、ほぼ3.68%下落し0.16ドル付近で取引している。

 時価総額トップ20を見てみると、匿名通貨のモネロ(XMR)の上げ幅が4.24%のプラスと最も高く、現在は1.35%付近で推移している。

Monero 7-day chart. Source: CoinMarketCap

 現在の仮想通貨市場全体の時価総額は、約2840億ドル。今週の高値である2990億ドルからは減少している。

Weekly high in the total market capitalization of all cryptocurrencies from CoinMarketCap

 23日には、米大手銀行のJPモルガン・チェースの元副社長からブロックチェーンは「次の金融危機を避けるための鍵になるかもしれない」という重要な発言が出た。また、これまで仮想通貨資産に消極的だった中国からもポジティブなニュースが届いた。23日中国の南京が14億8000万ドルのブロックチェーン投資ファンドを設立する一方、中国の大手通信3社がブロックチェーン研究グループを立ち上げた

 さらに注目されていたG20も、慎重な見方が必要である一方、概ね仮想通貨に対して好意的なスタンスが示された。金融活動作業部会(FATF)は、仮想通貨を巡る国際規制の明確化を10月まで先送りすることを発表した。