仮想通貨取引所バイナンスが逆風にさらされている。6月9日には、ナイジェリアの証券監督当局がバイナンスを違法としたとの報道があった。
「バイナンス・ナイジェリアは、どの形でもナイジェリアの投資家を勧誘する行為を直ちに停止するように指示される」。これはブルームバーグが閲覧したナイジェリア証券取引委員会の声明文だ。
同委員会はまた、バイナンスが国内で登録も規制も受けていないため、その業務は違法であると指摘した。「公共の投資家がその企業と取引を行うことは、自己のリスクによるものだ」と委員会は述べた。
Allegedly, Binance US putting customer funds at risk. Anyone with proof will be doing millions of people a lot of good.
— Son of Timothy (@ObiUcheUzoije) June 7, 2023
ナイジェリア規制当局からの声明は、バイナンスが米当局から訴えられた数日後に行われた。6月5日、米証券取引委員会は、証券の未登録提供及び販売、取引所またはブローカーとしての未登録、資金の混在など、バイナンスに対して13の訴因を含む訴訟を提起した。
バイナンス側は、規制当局から求められる全ての情報を提供しており、「裁判で我々の立場を守ることを楽しみにしている」と述べている。
バイナンスはナイジェリアで人気のある仮想通貨取引所。ナイジェリアはアフリカ地域の最も注目される仮想通貨ハブであり、アフリカ最大の人口を擁する国だ。チェイナリシスによる調査では、中東と北アフリカ地域が世界的に仮想通貨の普及を先導しており、2021年7月から2022年6月の間に前年比48%増の5660億ドル分の仮想通貨を受け取っている。
ナイジェリアでは5月28日、前大統領ムハンマドゥ・ブハリ氏が金融法案に署名し、デジタル資産からの利益に10%課税することを導入した。新たに選出されたナイジェリアの大統領ボラ・ティヌブ氏は、ナイジェリア証券取引委員会のデジタル資産規制をビジネスフレンドリーにするための見直しを提案する公約を最近発表した。
ナイジェリア中央銀行は仮想通貨を法定通貨とは認めておらず、商業銀行は2021年2月以降、国内での仮想通貨取引を禁じられている。