仮想通貨取引所クラーケンは、カナダでテザー(USDT)、ダイ(DAI)、ラップド・ビットコイン(WBTC)、ラップド・イーサ(WETH)、ラップド・アクセラ(WAXL)に関連する全ての取引を11月と12月に停止すると顧客に発表した。

クラーケンの広報担当者は、コインテレグラフからのコメント要請に対し、「当社のプラットフォーム上の資産を常に監視し、仮想通貨業界で最も厳格なコンプライアンス基準を満たしていることを確認している」とメールで語り、その上で停止を確認した。

広報担当者は、「最近のカナダの規制変更に従い、CSAとOSCとの幅広い協議を経て、今日、USDT、DAI、WBTC、WETH、WAXLの取引を近く停止するとクライアントに通知した」と語った。また、「クラーケンはカナダの顧客に優れた取引体験を提供することに引き続きコミットしている」とも付け加えた。

2023年を通じて他の注目すべき取引所が同様の行動をとってきたことから、この停止はカナダの仮想通貨ユーザーにとっては驚きではないかもしれない。

8月には、コインベースがUSDT、DAI、RAIの取引を停止し、それに続いてCrypto.comもテザーを上場廃止にした。

これらの企業が直面した同じ規制上の課題が、他の企業がカナダ市場から完全に撤退する原因となった可能性もある。OKXは6月にカナダでの業務を停止し、それに先立つ5月にはバイナンスがその意向を表明した。一方、クラーケンはカナダでの業務を続ける様子で、特定の5つの資産に関連する取引だけを停止する予定だ。

クラーケンが顧客に送ったメールによれば、「11月30日から」前述の資産の預け入れと取引機能が停止され、「12月4日から」ユーザーは関連資産の引き出しを行うことができなくなる。そして、「12月5日から」残存する関連資産は「現行市場レート」で米ドルに換算され、ユーザーのアカウントに入金される。

クラーケンは10月27日、英国業務の新たしいマネージングディレクターとしてビヴ・ダス氏を任命したと発表した。ダス氏は、フィンテックと伝統的な金融サービスでの長い経歴を持つ起業家で、スターリング銀行の元頭取である。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン