南アフリカ共和国のヨハネスブルグ市は、不正入手したデータの身代金として、サイバー犯罪集団が要求してきた4BTC(約380万円)の支払いを拒否した。

ヨハネスブルグ市議会は10月28日、サイバー犯罪集団による攻撃が、請求システムや資産評価、土地区画台帳、医療データ管理、図書館などのサービスに及んでいたことを公式ツイッターアカウントで明らかにした

既報の通り、同市はサイバー犯罪集団により情報システムをハッキングされ、不正に入手したデータと引き換えに仮想通貨ビットコイン(BTC)で4BTC(約380万円)の身代金を支払うよう要求されていた。支払い期限は10月28日17時(現地時間)だった。

今回のツイートに添付された声明文の中で、情報通信技術を担当するファンゼラ・ンゴベニ市議会議員は、当局がハッカーの要求に同意しないことを確認したという。同議員は、ヨハネスブルグ市が「システムを完全に復旧できる」と確認しており、重要な住民向けシステムをすでにいくつか立ち上げていると付け加えた。

なお同市は、問い合わせシステム、水道システム、戸籍などを扱う区民課システムなどの復旧に取り組んでいるものの、コールセンターは停止したままの状態という。

ンゴベニ議員は、「当局は、あらゆる無法な行いに対して反対する立場を取っている」と述べ、「このサイバー攻撃は、ヨハネスブルグ市のシステムに対する攻撃だけでなく、市民への攻撃としても見られている」と付け加えた。

なおCNNの10月29日付けレポートによると、サイバー犯罪集団は、攻撃後に同市当局にBTC支払いを要求する電子メールを送り、さらなるハッキングによるリスクを軽減するため、当局にすべてのシステムを停止するよううながしていたという。

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翻訳・編集 コインテレグラフ日本版