仮想通貨マイニング企業のHut 8は、電力供給問題と高騰するエネルギーコストの影響により、カナダ・アルバータ州ドラムヘラーにあるマイニング施設を閉鎖すると発表した。

発表によると、ドラムヘラーのマイニング施設はHut 8のビットコイン採掘量の約1.4%を占め、ハッシュレートの約11%を消費している。閉鎖は3月6日より有効となる。Hut 8のCEO、アッシャー・ジェノット氏は声明の中で、「包括的な分析の結果、ドラムヘラーの収益性が、高エネルギーコストや基盤電圧の問題など、さまざまな要因によって大幅に影響を受けていることが判明した」と閉鎖の理由を明らかにした。さらに「すべてのビットコインマイナーは速やかにカナダ・アルバータ州メディスンハットにある施設に移転され、Hut 8は引き続きリース契約を維持し、市場状況が改善すれば施設を再稼働させる選択肢もある」と述べた

高エネルギーコストに加え、マイニング難易度の記録的な上昇と、マイニング報酬を50%削減する予定のビットコイン半減期などが近づいていることで、仮想通貨マイニング業界の停滞が見込まれている。Energyrates.caのデータによると、カナダ・アルバータ州の電気料金は2017年以降、キロワット時あたり1,000%上昇。また、州政府は電力使用量への懸念から、新規の仮想通貨マイニングプロジェクトを制限している。

2023年の最初の9ヶ月間でHut 8の収益は前年比57%減少し、55,184カナダドル(約600万円)となった。これは主に、当時のビットコイン価格の下落に起因している。ハッシュレートに関しては、Hut 8は現在、ビットコインネットワーク全体の処理能力の1.3%を占めている。

1月19日、Hut 8の取引パートナーであるUSBTCが7億2,500万ドルの合併取引で法的問題を抱えているとの疑惑が浮上したことを受け、Hut 8の株価は1日で23%以上下落した。その後、Hut 8はこの報告について「不正確な情報、誤ったデータ表示、推測に基づく主張、根拠のない人格攻撃で満ちている」と声明を発表した。また、2月8日には同社の元CEOであるジェイミー・レバートン氏が辞任した。