欧州連合(EU)の仮想通貨規制、暗号資産市場規制法案(MiCA)の最終投票が2023年4月に延期された。2022年11月に延期が決定されており、今回2度目の延期となる。
The Blockによると、今回の延期は、400ページに及ぶ公式文書をEUの24の公用語に翻訳できなかったという技術的な問題が原因だという。英語で起草されるMiCAのような法律文書は、EUの規制を遵守し、EUの24の公用語すべてで公表されなければならないためだ。
最終投票を2月に延期した2022年11月の最初の延期も、翻訳の問題が原因だった。最終投票が遅れるということは、欧州の金融規制当局が同法案の実施規則を起草するまでに、より長い時間を待たなければならないことを意味する。MiCAが正式な承認を受けると、金融規制当局は12~18カ月で技術基準を作成することになる。
欧州議会の委員会は2022年10月にMiCA法案を可決したが、2020年9月に最初に導入されてから約2年かかった。特にFTXによる市場不安をきっかけに、同法案の承認を求める声が高まっていたにもかかわらず、2度目の遅れが生じた。
欧州議会の経済委員会のメンバーであるステファン・ベルガー氏は、MiCAなどの規制の必要性を主張する際に、FTXの崩壊を「防がなければならない」「リーマンショック」の1つと表現した。
MiCAによって、欧州の政策立案者は、EUレベルで仮想通貨の調和された標準的な規制を設定することを目指しており、既存のEUの法律でカバーされていない仮想通貨に法的確実性を提供すると期待されている。
MiCAは、仮想通貨発行者の運営、構造、ガバナンスのためのガイドラインを確立する予定だ。また、発行と取引に関する透明性と開示要件に関する規則も提供する。