内容を追記しました(2023年5月9日 日本時間9時00分)

米シアトルにある仮想通貨取引プラットフォーム「ビットトレックス」が、連邦破産法第11条(チャプター11)を申請した。チャプター11は日本の民事再生法にあたる。

5月8日に米国デラウェア州の連邦破産裁判所で提出された書類によると、同社は破産手続きの一環として、10万人以上の債権者、資産および負債がそれぞれ500万ドルから10億ドルの規模であると見積もっている。

破産はシアトルを拠点とするビットトレックス、マルタの2つの関連企業、および関連会社「デソレーション・ホールディングス」が対象。リヒテンシュタインを拠点とするグローバル取引所「ビットトレックス・グローバル」は、申請に含まれていない。

これは、4月に米国証券取引委員会(SEC)が同社とその共同創設者で元CEOのウィリアム・シハラ氏を証券違反で訴えたことを受けたものだ。SECは、ビットトレックスおよびビットトレックス・グローバルが未登録の証券取引所を運営していたと主張している。また、10月には米国財務省の外国資産管理局(OFAC)と金融犯罪取締ネットワーク(FinCEN)から銀行秘密法違反の訴因を受け、約2900万ドルの和解金を支払うことに合意した。

ビットトレックスの破産申請書によると、最大の債権者はOFACで、同取引所は同局に対し2420万ドルの債務を計上している。次いで、1450万ドルの債務を持つ仮想通貨ウォレットが最大の債権者となっている。FinCENはトップ50債権者にリストされており、債務額は350万ドル。SECの債務額は未定だ。

OFAC takes the top creditor spot for Bittrex with claims of $24.2 million. Source: PACER

ビットトレックスは、3月に米国内での事業を4月30日までに終了すると発表しており、同国での「継続的な規制の不確実性」を理由に挙げていた。

2023年は米国のビットトレックスにとって厳しい年となった。同取引所は、他の仮想通貨企業の破綻や倒産による市場の低迷を理由に、2月に83人の従業員を解雇している。

コインテレグラフは、ビットトレックス・グローバルのCEOオリバー・リンチ氏にコメントを求めたが、返答は得られていない。