ベレンバーグ・キャピタル・マーケッツの新たな投資レポートによれば、ハマスが仮想通貨を使ってイスラエル攻撃のための資金調達をしたことが、コインベースの米国での仮想通貨ロビー活動を後退させる恐れがあるという。
10月18日のリサーチノートで、ベレンバーグのリードアナリスト、マーク・パーマー氏は、自身のコインベースに対する「慎重な立場」の主な理由は、米国で同社に対して課されているさまざまな規制と、イスラエルとハマスの対立から生じる政治的な逆風から来ていると指摘した。
フィナンシャル・タイムズは先週、イスラエル当局がハマスの資金調達活動に使われていたバイナンスなどの仮想通貨取引所の100以上のアカウントを閉鎖したと報じた。この取り締まりの一環として、イスラエル当局は何百万ドルもの仮想通貨を押収した。
過去数年間で、コインベースは米国でのロビー活動を大幅に強化し、国内でより明確で仮想通貨に友好的な規制が導入されるように戦略を練ってきた。ベレンバーグのアナリストたちは、コインベース(COIN)株の「ホールド」推奨を再確認し、39ドルの価格目標を維持した。コインベースの株価は77.30ドルで取引され、前日比3%上昇している。
「株価が今年約112%上昇した一方で、ビットコインは約72%、テクノロジー重視のナスダックは約29%であることを考えると、COINについて引き続き慎重な視点で見ている」とパーマー氏は語った。「我々のCOINに対するホールド評価は、同株が短期では投資不能であるという我々の見解を反映している」と彼は付け加えた。
パーマー氏は、コインベースが米証券取引委員会と抱える訴訟問題が、同社の株価のポジティブな勢いにとって「足かせ」になり続ける可能性があるとも付け加えた。
パーマー氏は「持続的な仮想通貨の冬」の影響で取引量が予想を下回っていると指摘しつつ、ベレンバーグがコインベースの消費者取引収益の見積もりを2億1000万ドルから2億4,080万ドルに引き上げたと述べた。この調整は、コインベースの消費者取引手数料が「我々が予想していたよりも遅いペースで縮小する」という予想を反映している。
さらに、パーマー氏は、仮想通貨取引所の多額の現金残高が「クッションと柔軟性」を提供し、経営陣が経費を削減し、前進するための時間を与えると説明した。「これらの要素、およびCOINがショート過剰であるという事実を考慮すると、同社の株式を直接ショートすることはリスキーな戦略であると我々は考えている。特に同社がSECとの法廷闘争を押し進めるにつれて株価が急激な上昇になり得る可能性もある」と彼は述べた。