ドル建ステーブルコイン発行元大手の米サークル社の準備金のうち約8%に相当する33億ドル(約4500億円)が、昨日破綻した米シリコンバレー銀行に預けられていたことがわかった。サークル社が公式ツイッターで明かした。これを受けUSDC価格は0.93ドルまで下落している。

サークルの広報担当者はコインテレグラフに対し、「(シリコンバレー銀行は)サークルが現金で保有するUSDC準備金の約25%を管理するために使用している6つの銀行パートナーの1つ。連邦預金保険公社(FDIC)による管財が同行預金者にどのような影響を与えるかについての明確化を待つ間、サークル社とUSDCは通常通り運営されている」と語った。

海外ツイッターではサークル社とUSDCの先行きを楽観視する声も多い。同社が保有する400億ドルの準備金のうち大部分が米短期国債で運用されており5%近い金利収入があることや、連邦預金保険公社による規範化された銀行救済と預金保護期待する声が多い。

サークル社の公式ツイッターは「木曜日に行った引出申請が処理されていないことを本日末に確認した。(サークル社が保有する)400億ドルのUSDC準備金のうち33億ドルがシリコンバレー銀行に残っている状態。<中略>サークルも米国経済におけるこの重要な銀行の存続を求める声に加わり、州および連邦規制当局が提供するガイダンスに従う予定だ」と発信している。

さらにサークル社最高戦略兼グローバルポリシー責任者であるダンテ・ディスパルテ氏はツイッター上で「サークル社は現在米国の銀行システムにおけるブラックスワン的な破綻事件からUSDCを守っている。<中略>連邦政府によるシリコンバレー銀行救済プランがなければ、ビジネス、銀行、起業家にとってより広範な影響を与えることになる。政策立案者、規制当局、投資家、企業、そして何よりも経済成長の先行条件として米国の銀行システムに頼っているすべての人々からの(政府による救済要請の)声に協調したい」と述べている。

過去24時間のUSDCチャート 情報元: CoinGecko

サークル社による声明からおよそ30分後、米仮想通貨取引所最大手コインベースが、USDC:USDペアの交換サービスを一時的に停止すると発表した。ドル出金に対応する銀行が営業していない週末のみの措置だという。

また仮想通貨取引所大手バイナンスも取引高急増を受けUSDC対BUSDペア取引の一時停止を発表した。状況を注視しながら行う通常のリスク管理手続きの一環だという。