アラメダリサーチ元CEOのキャロライン・エリソン氏によれば、バイナンスCEOであるジャオ・チャンポン氏(通称CZ)の1つのツイートが、仮想通貨取引所FTXの破綻の一因になったという。

エリソン氏は、10月12日にサム・バンクマン-フリード氏(通称SBF)の刑事裁判で証言し、FTX破綻の責任の一端はCZのSNS活動にあったと主張した

問題となっているツイートは2022年11月6日にX(旧ツイッター)で有名になったツイートだ。この中で、CZは「最近明らかになった事実」により、バイナンスが保有するFTXトークン(FTT)を清算すると明らかにした。

多くの報道によると、このトークンの清算により、個人投資家たちはバイナンスの例に倣ってFTXから資金を引き出した。プラットフォームへの出金要請が増加し、FTXは出金を停止し、11月11日に破産を申請した。

エリソン氏によれば、このツイートがFTX破綻の「一因となった」が、主要な原因はアラメダが返済できない100億ドルをFTXから借りていたことだという。

彼女は10月10日にSBFの裁判で初めて証言台に立ち、バンクマン-フリード氏がユーザーの同意なく数十億ドルの資金をFTXからアラメダに移すように指示したと証言した。

CZは2022年12月6日のスレッドで、「ツイート1つでFTXを破壊した」という主張に反論し、「健全なビジネスはツイート1つで破壊されることはない」と述べている。彼はエリソン氏の11月6日当時のSNS投稿を取り上げ、アラメダによるバイナンスのFTTを買い取る提案こそが「トークンを売却する人々の本当の理由だった」と主張した。

アラメダ元CEOが裁判で提供した情報には、バンクマン-フリードが米国大統領になるという野望、ジェネシスに提示するためのアラメダの財務状況の「代替」スプレッドシートを複数作成したこと、そしてSBFがサウジアラビア皇太子にFTXへの支援要請を検討していたことなどが含まれていた。

SBF側の弁護士であるマーク・コーエン氏からの反対尋問では、バンクマン-フリード氏のアラメダの業務についての知識に焦点を当てていた。

コーエン氏からの質問に対し、エリソン氏は、「[SBFが]彼女の懸念について知らなかったかもしれない」と「言ったかもしれない」と証言した。検察側はその主張を「あいまいだ」と評した。

エリソン氏は、10月3日に始まったSBFの刑事裁判の7日目に証言台に立った。同氏は検察側と司法取引に応じて、自身の有罪を認めた幹部の1人だった。

10月に始まった裁判ではバンクマン-フリード鵜jいは詐欺罪など7つの罪を問われており、11月を通じて裁判が続くと予想されている。彼は2024年3月に始まる第2の裁判でさらに5つの罪に直面することになる。バンクマン-フリード氏はすべての罪に対して無罪を主張している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン