仮想通貨市場の冬は、仮想通貨企業の買収や合併を引き起こしている。最新の取引は、デジタル資産会計プラットフォームのギルデッドが競合他社のビットウェーブに買収されたことだ。両社は買収価格を公表していない。
コインテレグラフに共有された発表によれば、この買収はビットウェーブのエンタープライズソリューション、仮想通貨支払や請求機能、税金追跡や簿記のツールを強化すると期待されている。また、ギルデッドの最高技術責任者であるケン・ゴールター氏がビットウェーブのエンジニアリングチームに加わることになる。今回の取引は、ビットウェーブがマルチシグメディアを買収した数ヶ月後に行われた。
ビットウェーブの共同創業者兼CEOのパット・ホワイト氏は、「デジタル資産の支払は伝統的な支払レールよりも速く、安価であり、このハイパーコネクテッド経済では、それがビジネスにとってゲームチェンジャーになると考えている」と語った。
ギルデッドは2018年に開発者と会計士のグループによって設立され、企業が仮想通貨ソリューションを自社の財務報告と会計プロセスに統合するのを支援することを目指していた。
ギルデッドのクランチベースのプロフィールによれば、仮想通貨スタートアップ、非代替性トークン(NFT)マーケットプレイス、分散型自律組織(DAO)、マイナー、会計事務所を含む130以上の法人顧客がいる。ギルデッドの顧客基盤は、既存の製品を引き続き使用しながら、ビットウェーブのプラットフォームも導入することになる。
ビットウェーブは2018年に設立され、仮想通貨の会計とコンプライアンスサービスを提供している。同社は2022年12月に1500万ドルのシリーズAの資金調達を行い、エンタープライズの複雑な会計要件に対応するための仮想通貨ソリューションを拡大した。この資金調達ラウンドはハックVCとブロックチェーンキャピタルが主導した。さらに、ビットウェーブは最近、ビッグフォーの会計事務所デロイトとのパートナーシップを結び、ブロックチェーンデータをERPシステムに接続するなどのエンタープライズツールを提供すると発表した。
ホワイト氏は、「仮想通貨の支払いが未来であると信じている。即時決済と非常に低い手数料により、金融機関はこの技術がもたらす大きな機会を認識し始めている」と付け加えた。
この取引は、米国の規制当局がデジタル資産の会計に関する新たなルールを明らかにした直後に行われた。9月6日、米国の財務会計基準審議会(FASB)は、企業がバランスシート上で仮想通貨の公正価値をどのように報告するかについてのガイドラインを承認した。
ホワイト氏は最近の動向について、「デジタル資産の税務と会計の両面で驚くほどの明確さが得られている」と語った。彼は税務の観点から、「IRSがステーキング報酬の課税方法や、"ブローカー"の定義を満たす者、そして新たな1099-DAフォームを顧客に送る必要がある者について、より明確なイメージを提供してくれた」と述べた。より透明なルールにより、規制当局はデジタル資産取引の監視をより密接に行うと見られている。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン