ビットコインは1日で20%もの下落を見せた。仮想通貨分析企業サンティメントのデータによると、どうやら一匹のクジラ(大口投資家)の動きによって大きく下落したようだ。
サンティメントが23日に公開したデータによると、ビットコインは対米ドルで47400ドルまで下落した。これは2021年に入って2番目に大きな下落幅となった。
昨年3月の暴落と同じクジラ
分析によると今回BTC市場では58000ドルで2700BTCの売却があった。これは約1億5660万ドル(約165億円)分の取引となり市場の下落圧力となった。チャート上ではビットコイン史上最大の1時間のローソク足となった。
サンティメントはツイッターで「昨日指摘したように前日比で11倍の取引所への流入があり、ビットコイン価格が史上最高値の58300ドルから調整した」とコメントした。
「さらにデータを分析した結果、あるアドレスが今年2番目に大きなビットコイン取引を行ったことが分かった」
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今回の調査では54000ドルまで回復した後再び50000ドルを割り込む激しい値動きをしたビットコインのボラティリティを解析。
一部のアナリストは市場が過剰に高騰していたと指摘しており、バブルの様相を呈していたと声も出ている。既報のように取引所への異常な流入によって下落の懸念が高まっていた。
サンティメントは2020年3月の暴落直前にも同じアドレスが売却していたことを指摘。当時ビットコインは60%下落し、3600ドルに達していた。サンティメントは同アドレスにおけるビットコインの動きを次のように分析した。
「1年間で合計で73回の取引があり、合計で91935BTCが入金されたが、すぐに全てのトークンが移動している」
偉大なる富の移転
最近のビットコインの上昇の中で長らくクジラの動向は注目されていた。既報のように、クジラのウォレット数は増加していたが、少額のウォレット保有者は減少していた。
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プリミティブベンチャーズのドビー・ワン氏は上記のチャートを引用し、2017年と2021年の上昇サイクルを比較した。
「最も興味深いのは、ビットコイン投資家の動きだ。クジラは前回(2017年)の価格上昇時に減少したが、今回は新たなクジラが現れている。一方でエビ(個人投資家)はなけなしの資金で投資しているウィークハンドであり、あまりにも早く売りすぎている」
そしてワン氏は今回の動きについて「偉大なる富の移転が起きている」とまとめた。
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一方で今回のようにある特定の投資家によって影響が出たことに疑問も向けられている。サンティメントは「一つのアドレスだけで世界最大の仮想通貨の価格下落が誘発されたとは考えていない」としながらも次のように続けた。
「しかし、このアドレスは下落のきっかけになったのか?イエスだ」