金融サービスを手掛ける、米国のサスケハナ・インターナショナル・グローバルが、仮想通貨の取引に乗り出す。手始めとして、ビットコイン(BTC)の先物取引から開始する。ニューヨーク・タイムズが5日に伝えた。
ペンシルバニア州ベラ・カヌイドに拠点を置くサスケハナは、株式やオプション取引、上場投資信託(ETF)といった伝統的な投資を扱う世界最大の金融企業の一つである。株式非公開のサスケハナは過去2年に渡り、非公開取引における仮想通貨の売買のための取引デスクを構築した。現在、サスケハナは顧客数500の小さなグループにデジタル通貨を提供する計画を立てており、将来的にはこのサービスを拡大させようとしている。
サスケハナのデジタル資産グループ責任者であるバート・スミス氏によると、サスケハナはビットコインや他の仮想通貨に、インターネットでのデジタル決済手段といった幅広い使用用途があると考えているようだ。スミス氏はこう述べている。
「我々は、こうしたテクノロジーやアセットクラスが、金融サービスの様々な側面を変えていくと信じている。また、この流れは永遠に無くならないと考えている」
サスケハナは、ビットコインの先物取引から開始すると伝えられている。加えて、ビットコインや、イーサリアム(ETH)・ビットコインキャッシュ(BTC)といった他の仮想通貨の現物を顧客が売買できるようにする。米規制当局が有価証券と分類している仮想通貨の取引を行うため、サスケハナはこの程ブローカーディーラーライセンスを修正し、規制当局に承認されたことを確認した。
また、サスケハナは仮想通貨を保管する独自のシステムも構築した。プライベートキー(秘密鍵)は、サスケハナのコンピュータシステムと接続されないオフサイト設備にあるデバイスに保管されるため、ハッカーからの攻撃にもより抵抗力があると伝えられている。
ウィンクルボス兄弟が、規制当局に申請したビットコインETFに関与するようサスケハナに依頼した後、14年にサスケハナはまずビットコインを扱った。ETFの申請は認められなかったが、サスケハナはビットコイントレーダー1名を手放なさず、仮想通貨マーケットが記録的な成長を見せた昨年、トレーダーの数を増員させた。
金融サービス企業のフィデリティ・インベストメントが7日、プライベート及びパブリッククラウドで仮想通貨取引所を開設するため、ディベロッパーの採用を開始すると発表した。フィデリティは、「ビットコインやその他仮想通貨向けの画期的なカストディサービス」の提供を目指している。