2度のハッキング攻撃を受けた仮想通貨取引所ユービットの運営会社ヤピアンが、昨年12月の攻撃で被害を受けたとして請求していた2800万ドル(総資産の17%分)の保険金の支払いを拒否された。ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が伝えた。

 昨年12月中旬に発生した韓国のビットコイン取引所ユービットへのハッキングは、運営会社の破産申請につながった。顧客資産の75%が引き出し可能で、残りは破産手続きが終了するまで保留状態となる。韓国の他の複数の仮想通貨取引所の場合と同様、攻撃は北朝鮮のハッカーにより実施されたと考えられている。ユービットは、以前ヤピゾンという名称で運営されていたが、これも昨年4月にハッキング攻撃を受けている。

 ヤピアンの3月28日のプレスリリースによれば、ヤピアンが契約していた保険会社、DB保険は、保険契約の締結前にユービット側が適切な情報開示を行わなかったことを支払い拒否の理由としており、ユービットはこれを契約内容を反故にするための言い訳だと見ている。

 保険契約は、12月中旬のハッキング攻撃のわずか数週間前の12月1日に締結されており、年間保険料は約24万4000ドルで、損害を最大で280万ドルまで補償する内容となっていた。

 プレスリリースによれば、「包括的サイバー保険」とは「データの損失または盗難、情報保全に対する侵害から生じる賠償責任、個人情報に対する侵害から生じる損害、サイバー脅威、ネットワークセキュリティに関する賠償責任」を含む8つのリスクを対象とするものである。ユービットの保険契約は、これら8つのうち「情報保全に対する侵害から生じる賠償責任、個人情報に対する侵害から生じる損害、ネットワークセキュリティに関する賠償責任」を含む5つをカバーするものであった。

 DB保険は、2月初旬にヤピアンの保険金請求を拒否したことを認めたが、拒否理由については公開していない。WSJは、仮想通貨ウォレットのコインビン(Coinbin)が現在、ヤピアンの買収を進めていると伝えている。

 韓国では仮想通貨が投資商品として人気だ。コインテレグラフで以前伝えたように、20代の韓国人の約4分の1近くが「仮想通貨に投資したい」と考えている。