ニューヨーク証券取引所(NYSE)を傘下に持つ米インターコンチネンタル取引所(ICE)は3日、仮想通貨の新会社を設立するとともに、11月にビットコインの先物を上場させる計画を発表した。歴史ある大手金融機関の参入とあって、仮想通貨業界にとっては大きな追い風となりそうだ。

 新会社の名称はバックト(Bakkt)で、顧客にデジタル資産の円滑な売買や保管、支払いサービスを提供する。マイクロソフトのクラウドでサポートされていて、「最も流動性の高いデジタル通貨である」ビットコインとドルなどの法定通貨の交換・取引から始める方針だ。マイクロソフトに加えて、米コーヒーチェーン大手のスターバックスなどとも提携して行く方針で、支払い手段としてビットコインや仮想通貨が普及するきっかけになるかもしれない。

 ICEは、バックトを通じて、2700億ドルのデジタル資産市場における流動性をサポートして、より安全で効率的な進化を促すと話している。

 またICE は11月に、ビットコイン先物を上場させる計画。ビットコイン先物は、去年12月に米シカゴ先物市場(CME)やシカゴオプション取引所(CBOE)が始めているが、ICEの先物は決済時に現金ではなくビットコイン現物引き渡しになっている点で異なる。アナリストの中には、「現物引き渡しによって機関投資家の資本流入が加速し、値動きが激しくなる」という見方も出ている

 ICEのビットコイン先物は、今後、米商品先物取引委員会(CFTC)の承認を得る必要がある。