仮想通貨(暗号資産)デリバティブプラットフォームのビットメックス(BitMEX)の親会社、HDRグローバル・トレーディング・リミテッド(HDR Global Trading Limited)は、企業再編を経て、現在「100xグループ(100x Group)」となった。

HDRは7月15日に新しい体制を発表した。現在、ビットメックスはセイシェルを拠点とする100xグループの傘下となる。発表では「新しい構造は、グループに新しい機会と投資を探求し、インキュベートし、追及するためのより多くの自由を提供する」と述べている。

また100xグループには、ビットメックス以外にベンチャー投資を行う「100xベンチャー」も傘下に入っている。100xベンチャーでは、債券ソリューションやアルゴリズムによる自動取引、新興市場におけるスポット取引所といった分野に重点を置いて投資をしていくとしている。

デジタル金融システムを再構築

100xグループは、HDRの創業者であるアーサー・ヘイズ氏、ベン・デロ氏、サム・リード氏が率い、200人以上の従業員で構成される。新しい持株会社によると、100xグループは「現在のデジタル金融システムを再構築するというミッションの一環として、機会と投資を探求し、インキュベートし、追及していく」と述べている。

100xグループの共同創設者兼最高経営責任者であるアーサー・ヘイズ氏は、レガシーな金融システムは遅くて扱いにくいものだと強調し、次のように述べている。

「私たちは現状を変え、現代のデジタル金融システムをより包括的でエンパワーするものに再構成していく」

ヘイズ氏は「デジタル時代において金融サービスの変革は依然として遅く、ゲームを変えるための知識、経験、リソースを使用することが私たちの役割であると考えている」とも述べている

100xグループの新しい取締役会メンバー

今回の再編により、デビット・ウォン氏が100xグループの非常勤会長に任命され、100xグループの長期的な成長戦略開発を担当することになる。

「ビットメックスは私たちのビジネスの継続的な成功の中心であり続け、私たちはリーダーシップの地位を維持および成長させるためにプラットフォームに投資し続ける」と、ウォン氏は述べている。

新しい会長は、100xグループは「未来のデジタル金融エコシステムの発展に前向きで長期的な影響を与える」計画であり、ビットメックスのオペレーションを超えて拡大する計画をほのめかしている。

ウォン氏は6月30日にHDRの非常勤会長に任命されていた。ウォン氏は以前、中国銀行やABNアムロ銀行で幹部を経験している。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン