スペインのビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)は、民間のエンジニアリング企業ACSグループと、ブロックチェーンベースの新たな融資契約を締結した。BBVAが19日に公式発表した。

 スペインの多国籍銀行グループであるBBVAは、1億ユーロ(1億1700万ドル)の二者間長期法人融資を提供する契約を、このほどACSと締結した。

 ブロックチェーン技術を利用したこの新たな融資契約により、同社の資金調達プロセスの効率性が高まり、契約プロセスの透明性と追跡可能性を向上させることができるという。

 ブロックチェーン上で融資を決済することで、両者はそれぞれ独立して、契約の段階や状況を監視することができる。この試験的な融資契約には、交渉プロセスのデジタル化も含まれており、運用管理時間が「数日から数時間に」短縮されると見込まれている。

 BBVAは今年4月、スペインのIT企業インドラと、ブロックチェーン技術を利用した「初のグローバルな法人融資取引」を成功させている。

 BBVAは先月、グローバルな石油・ガス大手企業の1つレプソルと、ブロックチェーンをベースとした別の契約を締結し、3億2500万ユーロ(3億7700万ドル)の与信枠を更新したと伝えられた。報道によれば、これは企業金融の分野における、ブロックチェーン技術の初めての応用という。

 BBVAはブロックチェーン技術を積極的に採用し、積荷書類の提出プロセスや取り扱いにも分散型台帳技術(DLT)を採用している。一方でBBVAのカルロス・トーレスCEOは最近、ブロックチェーンは「成熟しておらず」、大きな問題に直面していると主張した。しかしトーレス氏は、現時点で課題はあるものの、「成熟し、規制当局の準備が整えば」、BBVAはこの技術を関連する使用事例に適用するために必要なツールを持ちたい、と付け加えている。