投資会社のヴィクトリー・キャピタル・マネジメントは3日、米証券取引委員会(SEC)に仮想通貨上場投資信託(ETF)の申請を行った。

SECに提出した申請フォームS-1の中でヴィクトリー・キャピタルは、ブラジルのファンドマネージャーハッシュデックスとの契約の一環として、ナスダック・クリプト・インデックス(NCI)に連動するETFの上場を進めるという。このインデックスは、ビットコイン(BTC)、イーサ(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)、チェインリンク(LINK)、ステラ・ルーメン(XLM)、ファイルコイン(FIL)、ユニスワップ (UNI)の8銘柄で構成される。

ヴィクトリー・キャピタルのETFプロバイダーであるヴィクトリー・シェアーズのマニク・ディロン社長は、「将来的にETFを提供する可能性があることで、顧客に複数コインへのエクスポージャーを提供すると同時に、ポートフォリオに新たな資産クラスを導入することができる」と述べた。

SECは、米国では仮想通貨ETFを承認していない。ヴァンエックやヴァルキリー・デジタル・アセット、フィデリティなどの企業が仮想通貨ETFの登録を申請しているが、審査延長やパブリックコメントの公開などにより、最終的な決定を遅らせている。

ヴィクトリー・キャピタルは6月、米国を拠点とする投資家が仮想通貨市場へのエクスポージャーを得るための措置を講じることを発表した。同社は、NCIを追跡する認定投資家向けの私募ファンド(現在はヴィクトリー・ハッシュデックス・ナスダック・クリプト・インデックスファンドと呼ばれる)と、ナスダック・ビットコイン・リファレンス・プライス・インデックスおよび、ナスダック・イーサリアム・プライス・インデックス追跡するプライベート・ファンドを立ち上げると発表していた。

6月30日時点で、ビクトリーキャピタルの運用資産は1610億ドルを超えている。ティッカーVCTRでナスダックに上場しているヴィクトリー・キャピタル・ホールディングスの株価は、先週9%以上上昇し、発表時点で31.95ドルとなっている。