米国の制裁対象者であるベネズエラ国営石油会社PDVSAが、ステーブルコインのテザー(USDT)を使用して制裁を逃れているとの報道を受け、テザーは制裁対象者との取引を凍結すると発表した。

テザーの広報担当者はコインテレグラフに対し、同社は米財務省外国資産管理局(OFAC)の制裁対象者との取引を阻止するコミットメントを継続していると強調した。

「テザーはOFACの制裁対象者リストを遵守しており、制裁対象者アドレスを迅速に凍結するよう努めている。」

ロイター通信の報道によると、PDVSAは原油と燃料の輸出を円滑化するために仮想通貨を使用しているという。報道によると、米財務省はベネズエラが選挙改革を実施していないことを理由に、制裁緩和措置として米国との原油取引などを認めていた「一般ライセンス」を更新しないと表明。PDVSAの顧客とサプライヤーに対し、5月31日までに一般ライセンスに基づく取引を終了するよう命じている。

匿名の情報筋によると、制裁再開によりベネズエラは石油製品の増産と輸出が困難になる可能性がある。企業は南米諸国との取引を行うために米国の許可が必要となるためだ。

情報筋によれば、PDVSAは新たな制裁措置が発動され、海外の銀行口座で資金が凍結されるのを避けるための緩和策として、石油の販売をテザー(USDT)に移しているという。

2023年には、PDVSAの石油輸出で210億ドルの未収金が発覚し、汚職スキャンダルに発展した。

ロイターの情報筋はまた、PDVSAが2024年のスポット石油取引をUSDTでの輸出貨物の前払いを要求する契約モデルに作り替えたと主張している。同レポートは、ベネズエラ国営石油会社が、石油取引を行おうとする新規顧客に対し、デジタルウォレットに仮想通貨を保有するよう求めていることを要請している。

2023年10月に米国から6カ月のライセンス承認を受けた後、PDVSAとの取引を再開しようとした企業は、仮想通貨決済の要件を満たすために仲介業者に頼らざるを得なかったとされている。