「ビットコイン伝道師」のロジャー・バー氏が4日、東京でブルームバーグTVのインタビューに答えて「仮想通貨業界の未来はこれまでになく明るい」と発言した。仮想通貨相場の低迷は続いているもの、バー氏の強気な姿勢は変わっていない。

バー氏は、「自分はファンダメンタルズを重視した投資家だ」とし、「長期的にみれば未来はこれまでになく明るい」と述べた。

「認知度も高まっているし、普及も進んでいる。もちろん私は業界全体に対して強気だ。中でもビットコインキャッシュ は特にね」

今年はコインチェックやZaifがハッキングされたことなどから人々の仮想通貨に対する信頼が薄れていっているのではないかという質問に対して、バー氏は「逆に(仮想通貨の)認知度が高まるきっかけになった」と発言。「もし(仮想通貨が)使えないものだったのならばそもそもハッカーたちはサイバー攻撃を仕掛けたりしないだろう」という見解を述べた。

一方、ビットコインキャッシュのハードフォークによって仮想通貨業界全体がダメージを受けたのではという質問に対しては、「仮想通貨を投機目的ではなく、通貨として実際に使う経済システムを構築しなければならない」と回答。「税金のファンではない」としつつも、例えば、オハイオ州が企業の税金支払いに仮想通貨の使用を許可する構想を打ち出したことは「かなり大きなステップ」と話した。

11月に起きたビットコインキャッシュのソフトウェアアップデートをめぐる対立で、バー氏はビットコインABCを支持。自称サトシ・ナカモトのクレイグ・ライト氏率いるビットコインSVに対抗した。現在はバー氏のビットコインABCがビットコインキャッシュのブランドを受け継ぎ、騒動は終息に向かっているものの、この一件が仮想通貨相場暴落の一因になったという見方が出ていた。

「仮想通貨を通貨として使いやすくすることで経済的な自由をもたらす努力をしているのであれば、すべての仮想通貨の幸運を祈るよ」

バー氏は、あくまで仮想通貨の通貨としての機能を高めることが、第一優先と考えている。