”Neitherconfirm”と呼ばれるクリプト・アーティストは最近、デジタルマーケットプレイスの「オープンシー」に26個のノンファンジブルトークン(NFT)を載せた。しかし、アーティストが各NFTに紐づけられた画像をカーペットの写真に変更し、予想外の展開を遂げた。

これは「ラグブル」として知られるDeFi(分散型金融)トークンでの出口詐欺に対する批評の一環だったようだ。ラブブルというのは、ほとんど知られていないトークンの流動性が失われ、価格が突然急落すること。突然カーペット(ラグ)を引っ張ることからこう呼ばれる。

もともとステンドグラスのようにみえるスタイルで人の顔や動物をモチーフにした作品だったが、これをカーペットの画像に変更しているのは、集中的にコントロールされている資産の価値判断が、信頼できないかもしれないというメタファーのようだ。

「トークンがアートワーク自体から切り離せない限り、NFTの価値に関するすべての議論は無意味だ」と、Neitherconfirmは述べている。「誰かがあなたの所有物を変更、再リンク、もしくは破壊する可能性がある場合、高度にセキュリティ保護されたネットワーク上に偽造不可能なトークンを作成することは意味は何か?あなたのアートワークの価値が中央集権的サービスに依存している限り、あなたは何も所有していない」。

このオープンシーにアップされたカーペット画像の価格は、彼の主張にある程度の妥当性があることを示しているようだ。記事執筆時点で、ほとんどのカーペットNFTの最高入札額は1ドル以下となっているが、1つは130兆ドルをつけた(これらは正式に承認されたものではないという)。つまり仮想通貨全体の時価総額の約8万倍となっているということだ。

仮想通貨の世界では現在、ノンファンジブルトークンの量、そして価格が大幅に増加している。クリプトアートの1つが昨年末に13万ドルでオークションで落札されたが、2021年にはNFT価格はさらに上昇し続けている。2月、Beepleとして知られるクリプト・アーティストが、ニフティゲイトウェイで660万ドルで作品を売却している

最近、ツイッターのジャック・ドーシーCEOはこのNFTブームに参加。ツイートをトークン化してその所有権を競売にかけた。ドーシー氏は収益をビットコインに交換し、非営利団体に寄付すると約束した。記事執筆時点でトークン化されたツイートの価格オファーは250万ドルになっている。