オークションハウスのクリスティーズが、ビットコインのブロックチェーンコードで作られたアート作品が13万ドル以上で落札されたと発表した。

大手オークションハウスでノンファンジブル・トークン(NFT)作品が出品されたのは初めてで、予想を上回る価格で落札された。当初の予想落札価格は1万2000ドル(約126万円)〜1万8000ドル(約190万円)とされていた。

クリスティーズは10月7日、現物の美術品とサトシ・ナカモトを代表するNFTで構成される 作品「ブロック21」が13万1250ドル(約1390万円)で落札されたと明らかにした。落札者は非公開。入札開始価格は2万2000ドル(約230万円)だった。

この作品は、ロンドン在住のアーティストであるベン・ジェンティリ氏の「ロバート・アリス・プロジェクト」と名付けられた40枚の作品の一つ。サトシ・ナカモトのオリジナルのビットコイン(BTC)コードである322048桁が正確に記されている。

「Portraits of a Mind(心の肖像画)」と題されたこのシリーズは、全長50メートル以上に及ぶ40枚の異なる円形パネルに、仮想通貨の1230万桁のオリジナルコードが個別に刻まれている。

Source: Robert Alice

(出典:Robert Alice)

今回落札された「ブロック21」は、ビットコインの発行量が2100万BTCに制限されていることを意味している。40点の作品の前半部分であるブロック0から20はすでに販売されており、仮想通貨取引所バイナンスCEOであるジャオ・チャンポン氏とブロックチェーンのインフラ企業であるBloq会長のマシュー・ロスザック氏も「Portraits of a Mind」のシリーズ作品を購入したと報じられている。

ロバート・アリスのウェブサイトでは「この作品は、サトシのビジョンを象徴的に表現したものであり、すべての始まりにあるコードから作り出されたもの」と説明されている。「Portraits of a Mind」は、サトシ・ナカモトの多面的なアイデンティティを探り、新たに分散化された時代におけるアイデンティティとポートレートの本質を反映している。

これまでオークションで最も高額なデジタルアート作品として落札されていたのは、ビットコインの価格変動に基づくマット・ケインのNFT「Right Place & Right Time」で、9月には101593ドルで落札された。