アップルのiPhone利用者を標的にしたフィッシング詐欺が発生している。仮想通貨メディアThe Blockが7日に報じた。仮想通貨業界でよく取りざたされるフィッシング詐欺の問題だが、ハイテク業界全体の問題でもあるようだ。

記事によると、アップルのサポートセンターになりすました自動呼び出し機械が、iPhoneユーザーに電話をかけ、重要な情報を入手しようとしている。グローバル・サイバー・リスクLCCのジョディー・ウェストバイ氏によると、この電話は「アップルのユーザーIDを保管する複数のサーバーがハッキングされた」と主張し、特定の電話番号にすぐに連絡するように伝えるという。

また、KrebsonSecutiry(クレブソン・セキュリティ)のレポートによると、この電話先の情報と実際のアップルのアドレスやロゴがほぼ一致。HTTPから始まるアップルのウェブサイトとの違いは、”s”一つだけだという。ウェストバイ氏は、「あまりにも本物と似ているため、多くの人々が罠にはまってしまうのではないか」と懸念しているそうだ。

仮想通貨業界だけではない

仮想通貨業界でもフィッシング詐欺が横行している。実際、先述のクレブソン・セキュリティのレポートによると、フィッシングサイトやフィッシングEメールなどを使って、被害者の個人情報を盗み取ることで、仮想通貨ウォレットなどから盗まれた仮想通貨の被害額は、2017年に1000万ドルに達したという。ただ、今回のiPhoneの問題が示すように、フィッシング詐欺は、ITやフィンテック業界全体で対応しなければならない問題であるようだ。