破産手続き中の仮想通貨取引所マウントゴックスの代表取締役マルク・カルプレス被告が、30日に発表された米フォーブス紙の記事に引用されたコメントの中で、コインチェックが発表したNEM保有者への補償方針や、現在同取引所が置かれる状況を分析した。

 「今コインチェックにとっての課題はまずサバイバルだーー彼らが提示したNEMのレートで全員に補償するという申し出は一見聞こえが良いが、多くの人がこれに同意しない可能性が高い。補償金額を計算するためにコインチェックが採用したレートは、NEMが盗まれた時点のレートよりも大幅に低い。今のところ補償期限も設定されておらず、(不満を抱えた顧客が)同取引所を訴えるかもしれない。そうなると(コインチェックは)資金が枯渇するまで訴訟の対応に追われる」(フォーブス記事内におけるカルプレス氏のコメントの引用)

 自身が経営する取引所マウントゴックスの破綻を経験するカルプレス氏は、コインチェックにおけるNEM不正流出が発覚してからこれに注目。事件発覚同日に開催された記者会見の最中にもツイートでコメントしている。

 ちなみに業界最大規模の仮想通貨取引所であるビットフィネックスは2016年夏、70億円を超える仮想通貨を盗難された後、ユーザーにトークンを発行する等して債権者に補填を行い破産を回避している。