仮想通貨カルダノ(ADA)創業者のチャールズ・ホスキンソン氏は3月24日、「ウィキペディアについて」と題した動画をYouTubeで公開した。ウィキペディアは、カルダノに対して恣意的な検閲を行っていると主張した。

ウィキペディアとビットコイン、サトシ・ナカモト

仮想通貨プロジェクトに対する検閲が古くから行われていたと主張する声は、以前からある。ウィキペディア(英語版)の「ビットコイン」エントリーでは、記事内容の一部追加と削除が繰り返される、いわゆる編集合戦に近い状態が2010年に一時発生したようだ。ウィキペディア(英語版)の「ビットコイン」エントリーは2009年3月8日に初めて作成されており、すべての編集履歴および編集者によるコメントなどを閲覧・確認できる。

2010年12月、ペイパルが内部告発サイト「ウィキリークス(WikiLeaks)」の(寄付受け付け用)アカウントを永久停止した際には、ビットコイン支持者のひとりが、ウィキリークスに寄付受け付け手段としてBTCを採用してもらうことで、ウィキペディアのエントリーが支持を得やすくなると提案したという。

サトシ・ナカモトは、この案に対して次のように強く反対したものの、手遅れだったようだ。

「それは実行しないでほしい。ソフトウェアを途中で強化しやすいよう、プロジェクトは徐々に成長する必要がある。私は、BTCを採用しないようにウィキリークスに訴える。

BTCは初期段階の小さなベータコミュニティだ。ポケットの中の小銭以上のものではないし、あなたがもたらす熱は、現段階では我々を滅ぼす可能性が高いだろう」

(出典: Bitcoin Forum サトシ・ナカモトは、寄付用手段としてウィキリークスにBTCを採用してもらうという提案に強く反対していた)

なおウィキペディア財団およびウィキペディアは、ウィキリークスとはまったく関係がないと明示している

カルダノ&スパンクチェーン

ホスキンソン氏は、(カルダノは)「検証・評価など査読(ピア・レビュー)されたすべてのコインの中で最も引用されている」と主張しており、ウィキペディアがカルダノを警戒している理由が分からないと述べた。

「スパンクチェーン(SpankChain。SPANK)のようなコインがウィキペディアにエントリーがあるのに、なぜ敵視されるのか分からない。トップ15、トップ20に含まれる多くの仮想通貨は明らかにエントリーがあり、それらはまったく問題ない。しかし(カルダノは)米議会で言及されていても、何らかの理由でエントリーが作られていない」

コインテレグラフが確認したところ、ウィキペディア(英語版)にはSPANKのエントリーを見つけられなかった。また、ドージコイン(Dogecoin。DOGE)、グリッドコイン(Gridcoin。GRC)、ポットコイン(PotCoin。POT)などは存在した。トップ10の仮想通貨プロジェクトのほとんどが、ひとつ以上の関連エントリーがあった。

(出典: コインテレグラフ)

コインテレグラフに対してホスキンソン氏は、検閲は英語版編集者によるものと主張し、ドイツ語・エストニア語・イタリア語・日本語・オランダ語・ポルトガル語・ルーマニア語・ロシア語については、カルダノのエントリーが存在すると指摘した。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン