仮想通貨取引所コインベースは、8月31日からカナダのユーザー向けにテザー(USDT)、ダイ(DAI)、およびRAIのステーブルコインの取引を停止する。

8月17日のユーザー向けの電子メール通知で、コインベースは「私たちは定期的に取引所上の資産を監視して、上場基準を満たしているか確認している」と述べ、そのレビューに基づき、上記のステーブルコインの取引は9月からカナダのユーザーには利用できなくなるとした。コインベースはその数日前にカナダ子会社を正式に立ち上げたが、それ以前からカナダの顧客にサービスを提供していた。

カナダのユーザーは8月31日以後もステーブルコインを預け入れたり、引き出すことができる。コインベースは、「コインベース・カナダは、特定のカナダの管轄区域での登録を申請しているが、まだ登録を取得していない。コインベース・カナダが登録を取得するまで、協定の条項を守ることに同意した」としている。

今年初め、デジタル資産取引所Crypto.comはカナダでのUSDTの上場を廃止した。オンタリオ証券委員会は2021年にUSDTを禁止したが、その禁止の背後にある理由を説明しなかった。

カナダ証券管理者(CSA)は2月22日、登録済みの仮想通貨取引所または登録待ちの取引所に対して、規制当局との法的拘束力のある協定を締結するよう要求する通知を公表した。その中では、「CSAの事前の書面による同意なしに、CTP (暗号資産取引プラットフォー)がクライアントに対して価値参照暗号資産(一般的にステーブルコインとして知られる)を暗号資産契約を通じて購入または預託することの禁止」を要求している。

テザーは法定通貨の準備金に裏付けられたステーブルコインである。一方、DAIは法定通貨とアルゴリズムステーブルコインの間のハイブリッドとして存在する。RAIは、任意の資産にペッグされていないアルゴリズムステーブルコインである。

現在、CSAによって中央集権型の仮想通貨取引所に上場が承認されている唯一のステーブルコインはUSDコイン(USDC)だ。

新しい規制が影響し、仮想通貨取引所OKXは6月にカナダから撤退した。同様に、仮想通貨取引所のバイナンスは9月までにカナダから撤退する予定だ。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン