仮想通貨・ブロックチェーン分野における人工知能（AI）の活用はまだ始まったばかりだが、成長の兆しを見せている。
ブロックチェーンAI市場は2020年の2億2050万ドルから2027年には9億7360万ドルへと、年間成長率23.6%で拡大する見込みだ（フォーチュン・ビジネス・インサイツ調べ）。
以下は、既存の仮想通貨AIプロジェクトのいくつかの例だ。
ブロックトレース(Blocktrace)
ブロックトレースは、AI技術を活用したブロックチェーンの分析・追跡を専門とするサービスプロバイダーだ。米オースティンに拠点を置く同社は、人工知能を活用してブロックチェーン分析プロセスを迅速化し、トレンドや異常の特定を容易にすることを目指している。
同社は、ビットコイン・ブロックチェーン上のデータとやり取りするためのAIチャットボット「ロビー・ザ・ロボット」を開発した。
シンギュラリティネット(SingularityNET)
シンギュラリティネットは、AI開発者がアルゴリズムを共有・収益化できるようにするブロックチェーン技術を活用した分散型AIマーケットプレイスだ。金融、医療、交通などの様々な産業で使用されるAI駆動型分散アプリケーション（DApps）の開発を可能にする。
フェッチ・AI (Fetch.ai)
フェッチ・AIは、AIと機械学習アルゴリズムを用いて自律的な経済エージェントを創出する分散型プラットフォームだ。FETトークンを使用して、ユーザーはネットワーク上に自分のデジタルツインを構築し、展開することができる。
トークンを用いて支払いを行うことで、開発者は機械学習を基盤としたユーティリティにアクセスし、自律的なデジタルツインを訓練し、ネットワーク上で集合知を展開することが可能となる。これにより、ユーザーはデータ分析、予測市場、サプライチェーン管理など、さまざまなタスクを実行することが容易になる。効率的で自律的なデジタル経済の構築を目指している。
アーティフィシャル・リキッド・インテリジェンス（Alethea.ai）
アーティフィシャル・リキッド・インテリジェンスは、AIとブロックチェーン技術を活用してデータ市場を確立する分散型プラットフォームだ。データ所有者がプライバシーとセキュリティを維持しながらデータを収益化できるようにする。AIプロトコルは、アーティフィシャル・リキッド・インテリジェンス（ALI）ユーティリティトークンの助けを借りて機能する。
iExec
iExecは、AIとブロックチェーン技術を活用して、高いコンピューティングパワーを必要とするDAppsの実行に安全なプラットフォームを提供する分散型クラウドコンピューティングプラットフォームだ。開発者がコンピューティングリソースを収益化し、従来のクラウドコンピューティングサービスの代替手段を提供する。
翻訳・編集 コインテレグラフジャパン