ソラナ(SOL)ベースの分散型金融(DeFi)レンディングプロトコルのソレンド(Solend)は、このほど承認されたクジラウォレット(大口ウォレット)にアクセスする「緊急権限」を無効にするために、別のガバナンス投票を作成した。プラットフォームによる一方的なウォレットの乗っ取りは阻止された形だが、精算のリスクは依然として残っている。

既報のように、ソレンドは19日、「SLND1 : Mitigate Risk From Whale」と題したガバナンス投票を開始。これは、ソレンドがクジラウォレットにアクセスし、清算を店頭取引で行うことによって、クジラの清算が市場にもたらすリスクを軽減することを目的にするものだった。

ソレンドによると、SOLが値下がりしてクジラが清算されると、ソレンドが「不良債権を抱えてしまう」可能性があり、ソラナネットワークに負担をかけることになるという。この提案は承認されたが、コミュニティのメンバーからの批判を引き起こした。

コミュニティから「DeFiのあるべき姿とは正反対」「明らかに違法」と非難された後、ソレンドチームは先に承認された提案を無効にするため、2度目のガバナンス提案投票を開始した。この提案は、SLND1提案を無効化することを支持する1,480,264票を得て終了した。

今回の提案は、前回の投票を無効とし、ソレンドによるアカウントの強制的な乗っ取りを伴わなわずに、別の解決策を見出すよう促すものだ。

今回の問題は、ソレンドを陰惨なジレンマに陥れた。ソレンドがクジラのウォレットを引き継ぎ、緊急権限を付与されれば、ソラナをDeFiの崩壊から救えるかもしれない。しかし、それはどの資産もプラットフォームから資産を没収されうることを示すことになり、ユーザーのボイコットを引き起こす可能性がある。Cryptokk.eth氏は次のようにツイートしている。

一方、ソレンドチームがクジラのアカウントをめぐるリスクを軽減できない場合、ソラナの暴落を引き起こし、SOLの価格が大きく下落する可能性があるという見方もある。