4700万ドルのハッキング被害を受けたカーブファイナンスだが、同社の分散型金融(DeFi)プロトコルのトークン保有者に関する別の問題がネット上で浮上し、大量の売却が起こる可能性についての憶測が飛び交っている。

8月1日、仮想通貨リサーチ会社のデルファイ・デジタルは、カーブファイナンスの創業者マイケル・エゴロフ氏がネイティブトークンCRVの流通供給量の47%を担保にしたローンの詳細に関してツイッタースレッドで指摘した。同社によれば、エゴロフ氏は4億2750万CRVを担保にし、様々な貸出プロトコルを通じて約1億ドルの融資を受けている。

エゴロフ氏はAaveで、3億500万CRVを担保にした6320万USDTのローンを保有している。デルファイ・デジタルは、清算基準値が55%で、0.3767ドルで清算可能なポジションであると指摘した。記事執筆時点でCRVは約0.5975ドルで取引されており、これは36%の下落が清算を引き起こす可能性があることを意味している。

また、Frax Financeでは、エゴロフ氏は5900万CRVを担保にした1580万FRAXの債務を保有している。この金額は少ないが、Fraxlendの時間加重変動利率がローンをよりリスキーにしている。現在、ローンの利用率は100%で、そのため、ローンの利率は12時間ごとに2倍になる。利率は現在81.2%だが、デルファイは3.5日で最大1万%になる可能性があると指摘している。これはCRVトークンの価格に関係なく清算を引き起こす可能性がある。

リスクを認識したエゴロフ氏は、過去24時間で合計400万FRAXを支払うことで債務と利用率を下げる動きをすでに始めている。しかし、エゴロフ氏が支払いをするとすぐに、ユーザーは流動性を取り去ってしまう。これに対抗するため、エゴロフ氏はカーブプールを展開し、貸出市場への流動性を奨励した。このプールは立ち上げからわずか4時間で流動性200万ドルを獲得し、利用率を100%から89%に下げた。

この状況について、コミュニティのメンバーから様々なコメントが寄せられ、FTX創業者のサム・バンクマン-フリード氏がFTXトークン(FTT)を担保に使用する状況と比較する者もいれば、これがDeFi業界の汚点であり、業界を数年遅らせ、DeFi参入者を怖気づかせる可能性があると述べる者もいた。コインテレグラフはエゴロフ氏に連絡を取ったが、すぐには返答は得られなかった。

翻訳・編集 コインテレグラフジャパン