イーサリアムクライアントである「Geth」の古いバージョンのバグがイーサリアムネットワークのノードの半分以上に影響を及ぼした。これにより影響を受けたノードがメインネットワークから分離してしまう懸念がある。

イーサリアムのソフトウェア開発者であるモーリス・ヴァン・デル・ヴァーデン氏によると、未知の個人もしくはグループが、イーサリアムクライアントの1つであるGethの旧バージョンに影響を与える脆弱性を悪用した。同氏によると、v1.10.7以前のソフトウェアを実行しているGethクライアントとイーサリアムノードは、ネットワークから分離されるリスクがある。「バリデーターを実行するユーザーは、早急にノードをアップデートする必要がある」と同氏は指摘している

バイナンス・スマートチェーンのツイッターアカウントなどは、過去のバージョンの脆弱性のため、Gethクライアントを最新バージョンにアップデートするように警告していた。イーサリアム仮想マシン(EVM)互換のチェーンもリスクにされられている可能性がある。

Ethernodes.orgのデータによると、イーサリアムノードの74.6%がGethを実行しており、現在v1.10.8を実行しているGethクライアントは28.4%のみだ。つまり、ネットワーク上のすべてのノードの約53%が潜在的なリスクにさらされている。

「最新のGethにしていることが確認されない限り、しばらくの間トランザクションを行わないでほしい」と、Yearn.Financeの創設者であるアンドレ・クロンジェ氏はアドバイスしている

過去にもソフトウェアのバグがイーサリアムネットワークのノードに影響を与えたことはあるが、今回のインシデントはその中でも影響の大きなものの1つになりそうだ。

ただ記事執筆時点では、イーサリアム(ETH)価格への影響は出ていない。ETH価格は3241ドルで、過去24時間で約4%の上昇となっている。