イーサリアムクライアントである「Geth」の古いバージョンのバグがイーサリアムネットワークのノードの半分以上に影響を及ぼした。これにより影響を受けたノードがメインネットワークから分離してしまう懸念がある。
イーサリアムのソフトウェア開発者であるモーリス・ヴァン・デル・ヴァーデン氏によると、未知の個人もしくはグループが、イーサリアムクライアントの1つであるGethの旧バージョンに影響を与える脆弱性を悪用した。同氏によると、v1.10.7以前のソフトウェアを実行しているGethクライアントとイーサリアムノードは、ネットワークから分離されるリスクがある。「バリデーターを実行するユーザーは、早急にノードをアップデートする必要がある」と同氏は指摘している。
A chain split has occurred on the Ethereum mainnet. The issue was resolved in the v1.10.8 release announced previously. Please update your nodes, if you haven't already!
— Go Ethereum (@go_ethereum) August 27, 2021
バイナンス・スマートチェーンのツイッターアカウントなどは、過去のバージョンの脆弱性のため、Gethクライアントを最新バージョンにアップデートするように警告していた。イーサリアム仮想マシン(EVM)互換のチェーンもリスクにされられている可能性がある。
Ethernodes.orgのデータによると、イーサリアムノードの74.6%がGethを実行しており、現在v1.10.8を実行しているGethクライアントは28.4%のみだ。つまり、ネットワーク上のすべてのノードの約53%が潜在的なリスクにさらされている。
「最新のGethにしていることが確認されない限り、しばらくの間トランザクションを行わないでほしい」と、Yearn.Financeの創設者であるアンドレ・クロンジェ氏はアドバイスしている。
過去にもソフトウェアのバグがイーサリアムネットワークのノードに影響を与えたことはあるが、今回のインシデントはその中でも影響の大きなものの1つになりそうだ。
ただ記事執筆時点では、イーサリアム(ETH)価格への影響は出ていない。ETH価格は3241ドルで、過去24時間で約4%の上昇となっている。