厳格なコントロールには利点があるかもしれないが、その分偏見も入る。本社から規制された情報のみを見られる消費者にとって、全体像をつかむのが難しい。

特に宣伝を実施するためにメディアが使用される権威主義の国では、この状況は真の表現の自由に対する脅威だとして批判されている。

ソーシャルメディアを使うメディアと公的人物は同じようなことを行っていると言えよう。

 

もし分散化した環境になれば、客観的な意見をたくさん聞くことが可能になるため、より公平な情報を得られるようになるかもしれない。

数多くの有望な企業にとって、ブロックチェーンは分散型データストレージ、明瞭なインセンティブモデル、コミュニティの発達のための手段を提供しながら、独立した分散型のメディアコンセントを試す機会を提供する。

 

分散型ソーシャルネットワーク

現在のところ、このようなプラットフォームを構築しようとする試みは数多くあるが、成功したプロダクトは少ない。たとえば、CoinAwesomeは2回のクラウドセールを試みるも失敗し。

「Facebookを利用しよう」と考えていたブロックチェーンベースのソーシャルネットワークMinds.comもパッとしなかった。 Q&A主導のシステムRevealは最初うまくいっていたが、ユーザーの仮想通貨アカウントの問題で勢いを失った。

ほとんどの場合、ブロックチェーンを使った分散型メディアを作成する場合、ソーシャルネットワークが利用される。

 

ブロックチェーンソリューションを使用して作業が分散化された社会環境を構築しようとするプロジェクトがいくつか注目されている。そのうちのいくつかはすでに稼動しており、残りはICOやトークンの販売を通じて資金調達先を探している。

この分野で最も顕著な企業のうちの1つ、Steemit、は1年以上運用されている。Steem はブロックチェーンに基づいて、コミュニティ主導の投稿、評価、およびコンテンツのキュレーションを中心に構築されたシステムだ。

「伝統的」なソーシャルメディアの収益モデルは、視聴者から価値を引き出そうとするが、Steemitは参加者にいわゆる「注目経済」のメリットを提供している。

システムは、投稿とコンテンツのキュレーションに報酬を与える。ユーザーは好みの投稿をお気に入り登録し、お気に入り登録された投稿は人気になり、人気な投稿の作成者とお気に入り登録したユーザーはSTEEMトークンの報酬を得る。 Steemitはまた、すべてのメンバーがプラットフォームとそのコミュニティに対する個々の貢献を表すスコアを持つlogarithmic reputation system(対数評判システム)を採用している。

 

日本は、アリスと呼ばれる独自のメディアを持っていて、これはSteemitと多少似ている。このサービスにより、ユーザーは専門家から得た信頼できる情報を投稿し、信頼できる貴重なコンテンツ提供すれば報酬をALISトークンで受け取ることができる。

すべての投稿はコミュニティによって評価される。メンバーは、好きな記事をお気に入り登録するためにボタンをクリックし、信頼できるものを見つける。高い評価を得た資料の著者は、トークンの報酬、コミュニティメンバーからの信用、及び信頼を得ている。プロジェクトは現在、さらなる開発のための資金を調達しており、主に日本のコミュニティに焦点を当てている。

 

コンテンツ配信のプラットフォーム

メディアの分散化に対するもう一つの取り組みはDECENTネットワークだ。本質的にソーシャルネットワークであるAlisとSteemitとは異なり、DECENTは出版された資料の保管を保証し、潜在的な影響力や配送料とともに仲介者を排除するブロックチェーンベースのコンテンツ配布プラットフォームである。

ネットワークは、音楽、プログラミングコード、ビデオ、画像、書籍など、あらゆる種類のメディアを公開するために使用できる。DECENTのネイティブDCTトークンは、メディア資産の取引を容易にするために使われる。 DCTトークンはまた、コンテンツを格納し、新しいブロックを作成するインセンティブを与える。ネットワークは、元のメディアコンテンツを保存、消費、収益化するため、メンバーに透明性、信頼性、分散化された環境を提供する。

注目すべきもう一つの例は、DECENTとSteemitのようなソーシャルメディアプラットフォームの中間地に位置するSynereoである。これは、ユーザーにコンテンツをマネタイズするためのツールを提供することを目的とした分散型ソーシャルネットワークだ。

このシステムは、Proof-of-Stakeコンセンサスアルゴリズムを採用したブロックチェーン 2.0で構築されている。AMPトークンは、特定の投稿に対するユーザーの関心の測定、および情報を交換するインセンティブを与える。

興味深い投稿には、AMPトークンを報酬として残し、後援することができる。人気な投稿の作者は、報酬の一部を得ることができる。 Synereoプラットフォームを使用して自社製品を宣伝する広告主にとって、AMPトークンは、より多くの視聴者に到達するための力と信頼性の高いパフォーマンス指標の両方を提供する。

 

最後に、ソーシャルメディア中心の傾向から逸脱し、分散型のニュースアウトレットを構築するプロジェクトであるSnipがある。これは、発行された資料に対する検閲と編集の自由がない、ユーザーが作成したニュースの分散型プラットフォームを提供する。

プラットフォームのすべてのユーザーは、任意のトピックに簡潔な記事を書き込んで投稿し、個人の好みに合わせてカスタマイズしたニュースフィードにアクセスできる。このシステムは、著者が関心のあるストーリーの寄稿者に感謝の意を表しながら、関連コンテンツを提出するインセンティブとしてSnipCoinを採用している。

コミュニティのフィードバックは、ストーリーの人気度合いと著者の信憑性に直接影響するため、ユーザーは興味深い偏見のないニュースのみを提出することが推奨される。

 

結論

今日のメディアは分散型に向かっている。この傾向は、ブロックチェーン技術を採用する新しい企業の数が増えていることを示し、既存のメディアビジネスのトークン化につながる可能性がある。分散化されたメディアのコンセントの試みはまだ完全にはできあがっていないが、この傾向は肯定的だと思われる。

少なくとも1つの分散型メディアプラットフォームが重要な牽引力を発揮する可能性が高いため、旧式の集中管理されたアウトレットとクリックベイトメディアは、最終的には変化する業界に適応することを余儀なくされる可能性がある。でなければ、彼らには分散した社会で時代遅れになる危険性が生まれる。


 

※原文

Blockchain Powers Shift To Decentralization In Media
https://cointelegraph.com/news/blockchain-powers-shift-to-decentralization-in-media