仮想通貨ビットコイン(BTC)は7日に今年最安値を更新した。米国トランプ大統領が6日に行った一般教書演説で、メキシコとの国境に壁を建設する計画について民主党と妥協しない姿勢を改めて表明したことが背景にあるという見方が出ている。

(引用元:TradingView「ビットコイン(BTC)/米ドル(年初来)」)

国境の壁を巡る予算をめぐるトランプ大統領と民主党の対立は、先月25日まで1ヵ月以上続いた米政府機関の一部閉鎖の要因。25日には米政府機関の閉鎖が3週間だけ一時解除されたものの、予断を許さない状況が続いていた。

米政府機関の閉鎖は仮想通貨業界にも影響を与えた。

先月23日、米運用会社ヴァンエックと金融サービス企業のソリッドX、取引所Cboeは、ビットコインETFの申請を取り下げた。ヴァンエックのCEOによると、取り下げの理由は政府機関の閉鎖。SEC(米証券取引委員会)とビットコインETFに関して「話し合いを続けられなくなった」という。先月20日から続く米政府機関閉鎖の影響で「SECスタッフの94%が休暇中」だったそうだ

3社は今月1日、再びビットコインETFの申請をした

また、もう一つの注目材料、インターコンチネンタル取引所(ICE)が手がけるバックトのビットコイン先物取引も、政府機関閉鎖の影響で開始日が遅れるのではないかという懸念が出ていた

今回のトランプ大統領の一般教書演説のビットコインへの影響についてFXcoinのシニアストラテジストである松田康生氏は、「大統領側に壁建設で妥協する姿勢が見られないことを悲観し急落、今年の年初来を更新した」と解説した。

また、ブレグジット(英国のEU離脱)をめぐり、英国の閣僚が離脱期限を3月29日から5月24日への延期を協議していると報じられたことも悪材料と考えられると指摘。「合意なき離脱は避けられ逃避需要が減るとの見方もあり値を下げる展開」になったと分析した。

【関連記事:「クレイジーだ」仮想通貨取引所バイナンス・ジャージーに新規登録が殺到 | ブレグジットめぐる政府案否決が影響か