フィリピンの中央銀行(BSP)が新たに二つの仮想通貨取引所の申請を承認したとビジネスワールドが6日に報じた。これでフィリピンで認可された仮想通貨取引所は、全部で5つになる。

 報道によると、フィリピン中央銀行のフォナンシア副総裁は、バーチャル・カレンシー・フィリピンとEトランスの二つをプラットフォームとして新たに認可。フィリピンの法定通貨ペソと仮想通貨を交換する権限を認めた。これによって2つの取引所は、すでに認可されているレビタンス、べトゥールとブルームソリューションズに仲間入りすることになる。

 フィリピンの中央銀行は、仮想通貨によって決済がより速くて安くなる可能性があると考える一方、価格の変動幅が大きいことや犯罪に使われやすいこと、サイバーセキュリティー問題となっていることに対して慎重になっている。アンチ・マネーロンダリング協議会(AMLC)は、資金洗浄対策への一部としてすでにデジタル通貨の取引の監視を始めたと報じられている。一方、仮想通貨の取引所は、監視対象の取引やその他疑わしい全ての取引記録を提出することを義務付けられている。

 ビジネスワールドによると、過去7年間でペソからデジタル通貨への交換は増加の一途をたどっていて、今年の第1四半期の取引高は、登録済みの2つの取引所においてひと月当たり約3600万ドルに上ったという。

 4月にはフィリピン政府は、ブロックチェーン・仮想通貨企業10社に対し、カガヤン州の経済特区(CEZA)での事業を認可する方針を発表。CEZAで事業をするには、現地人を雇用すること、向こう2年間で100万ドルを投資すること、ライセンス料10万ドルを支払うことなどが必要となる。

 また昨年11月にフィリピンの証券取引委員会は、仮想通貨を証券に区分した上でその使用を合法化する方向で検討していると発表。同年2月にフィリピン中央銀行は、ビットコインを合法な支払い手段として認めていた