関西電力は24日、ブロックチェーンを活用し、太陽光発電による余剰電力のピア・ツー・ピア(P2P)取引の実証実験を開始した。取引プラットフォームは、オーストラリア本拠のパワーレッジャー社のシステムを利用する。
電力供給システムは、従来の大規模集約型から、今後は自立分散型が増えていく状況にある。関電は、今回の実験により電力P2P取引の知見を蓄える。
大阪にある一般家庭を模した施設で実験する。パワーレッジャー社によると、対象戸数は最大10戸。太陽光発電設備を設置したプロシューマー(自家発電の電力を消費し、余剰分を売電する生産消費者)宅で創出した余剰電力を、複数の電力消費者宅へ送電。各住宅に設置したスマートメーターを通じて電力量やそれに伴う料金を計測し、トークンを使って取引する。パワーレッジャー社のP2Pプラットフォーム上で、電力取引に使われているトークンにはSparkzがある。
実証期間は2019年3月末まで。その後は一般家庭への適用も検討していく方針だ。
関電の実験開始の前日には、電力シェアリング社が、ブロックチェーンを使って二酸化炭素の削減価値を消費者間で取引する実験を、6月から開始すると発表している。同事業は環境省からの委託事業で、Jークレジットやグリーン電力証書といった、既存の削減価値取引システムとの統合を検討している。