株式会社Corefy Fintechは、HB Wallet、Tomochainとの共同開発ウォレットであるPantagraphなどを手掛けるブロックチェーン開発企業「BACOOR INC.」と提携し、かつ共同で分散型ステーブルコイン「TAI」を発行するプラットフォーム「Tomo.Finance」の研究及び開発を開始した。メインチェーンにTomochainを採用し、史上初となる同チェーンベースのステーブルコインを発行し、Tomochain DeFiのインフラストラクチャを構築する。
成長続けるDeFiマーケットと、直面する課題
2020年、世界の暗号資産業界で急成長をとげた分野は、DeFi(分散型金融)以外にないだろう。
イーサリアムブロックチェーンのネイティブ通貨であるイーサリアム(ETH)は年初から266%上昇した。
DeFiとは、金融仲介をディスラプトすることを目的にブロックチェーン上に構築された金融アプリケーションを表す用語で、現在は主にイーサリアムブロックチェーン上にスマートコントラクト技術を活用して構築されている。
2020年の夏に急激な盛り上がりを見せたDeFi市場では、関連する分散型取引所(DEX)の利用数や出来高は右肩上がりとなり、今年9月までの過去一か月間の出来高も150億ドル弱(約1.5兆円)に到達。それに伴い、ETHのトランザクション手数料も大幅に増加した。
DeFi利用率のデータを提供するDefiPulseによると、現在DeFiプラットフォーム・プロトコルにおけるトータルロックバリューは約141億ドルに及び、9月にはいわゆる「寿司騒動」でトータルロックバリューが一時的に急落していたが、10月よりの相場回復を受け、その規模は夏のDeFiブームを大幅に上回っている。
また、一方で懸念されるのは、ほとんどがEthereumチェーン上で構築されているため、スケーラビリティ(送金の速度)や、トランザクション手数料の増加だ。
急拡大した市場だからこその課題ではあるが、確実に成長の妨げにはなっている。
そんな中、他のブロックチェーンもこのDeFi領域に着目し、開発を進めている。
今後も成長を続けると予測されるDeFi市場において、従来のEthereumチェーンとの互換性が高いTomochainを採用し、同チェーンのDeFi エコシステム構築におけるインフラストラクチャの構築及びDeFiのボーダレス化を目指す。
Tomochainについて
TomoChainは、イーサリアムブロックチェーンやその他のブロックチェーンプラットフォームのスケーラビリティ問題に対するソリューションを提供している。
EVMとの互換性が高く、Ethereumと同じアドレスで管理が可能だ。
取引手数料はETHの1/18000、トランザクションスピードはETHの80倍と圧倒的だ。
プルーフ・オブ・ステーク投票(POSV)のコンセンサスとインスタント取引の確認を含む150マスターノードアーキテクチャを備えている。
また、TomoBridgeを介してBTCやETHなどの他チェーンの暗号資産でもTomochainのトークン規格「TRC-21」にラップすることにより、ボーダレスにDeFiサービスを受けることができる。
BACOOR社と提携
世界でもトップクラスのユーザー数を誇るHB Wallet、Tomochainとの共同開発で注目を集めたPantagraphを運営するマレーシア、ベトナム拠点のブロックチェーン開発企業であり、TomochainのパートナーでもあるBACOORと12月12日付で提携した。
この提携により、Tomochainとの連携がより強固なものとなり、Tomochain ecosystemへのアクセスが容易となる。
Tomo.Financeは2021年Q1にローンチを予定
Tomo.FinanceはTomochain上で分散型ステーブルコイン「TAI」を発行するプラットフォームだ。
ユーザーはTOMOを担保としてロックすることでステーブルコインTAIを借り入れ、それを売ったり貸したりして運用することができる。
TAIを発行するユーザーが増えると、市場にTAIがたくさん放出される。一般ユーザーはそのTAIを購入することで、暗号資産のボラティリティを回避できる。
ステーブルコインはUSDTやUSDCなど、ある主体が責任を持って発行する便利な方法もあるが、それは同時に彼らにコインの凍結権限があることも意味する。
利便性は非常に高いものの、発行主体や特定国家の管理下に置かれたコインでは、不当に政府に迫害される人々や一定国に住む人々などに対して、国境や立場を超えたDeFiを提供することができない。
そんな観点から、TAIのような「分散型」ステーブルコインとしてTomochain エコシステムを中心に活用されていく。
ローンチは2021年Q1を予定しており、詳細情報はホームページ、コミュニティなどで順次公開予定だ。
株式会社Corefy Fintech社
Tomochain オフィシャルサイト
BACOOR INCオフィシャルサイト