銀行がブロックチェーン技術の採用に失敗した理由

何年も開発に時間を費やしてきているにも関わらず、金融業界は実用的なブロックチェーン技術の運用に失敗してきている。専門家は銀行がブロックチェーン技術における最も重要なコンセプトを見過ごしている可能性を指摘している―つまり分散型であるということだ。

R3コンソーシアムや大手の数十億ドル規模の銀行などから注目が集まったことでブロックチェーンは国際的なブームを巻き起こしている。

大手の金融機関や政府機関は、様々な分野におけるオペレーションの可能性を模索しており、特に金融取引における決済の最適化などに注目し、ブロックチェーン技術の実装に躍起になっている。

 

既存のインフラへのブロックチェーンの適用

 

例えば、銀行はブロックチェーン技術を既存のITインフラと金融システムへの適用しクロスボーダーな決済、アセットのクリアランスなどを行い、銀行と顧客どちらにとっても運用コストや時間などを削減できるような方法を模索してきている。

ベンチャーキャピタルは既存のフィンテックからブロックチェーンスタートアップまで銀行や政府による後ろ盾のある組織からのサポートと共に自然にこのトレンドにシフトしてきている。

しかしながら、ブロックチェーンベースの金融システムに対して何億ドルのも投資資金がつぎ込まれているものの、金融業界は未だに実用的なこういった製品のデモンストレーションばかりを行っているのが現状だ。

 

何故分散型であることが重要なのか

 

銀行のブロックチェーン技術に関連する失敗の裏にある主な原因は、既存のアプリケーション上での並列したオペレーションを実行するプライベートブロックチェーンによるネットワークの作成、というその思惑にある。つまり、ブロックチェーン技術がもたらしてくれるはずのオープンな分散型ネットワークを利用することよりも、銀行は自分たちの利益を優先した技術革新にのみ目が行っていることが原因であるということだ。

銀行が上手く扱えていない分散型という概念は、ブロックチェーン技術の根幹であり、ブロックチェーン技術を堅牢且つ価値のあるものにしてくれるエレメントそのものだ。

現在まで、ブロックチェーン技術を採用した本当の成功例はビットコインのみなのは、ビットコインのネットワークが分散型であり透明性の高い性質が寄与しているからだ。

 

規制

 

根本的に銀行のアプローチとして問題があるのは、規制とコンプライアンスの部分だ。

銀行は厳重なKYCとAMLによるレギュレーションに従わなければならず、顧客の個人データを法執行機関に対して提供するためにプライベートブロックチェーンネットワークでの運用を余儀なくされている。

したがって、銀行がプライベートブロックチェーンネットワーク開発との既存のシステムへの適応を諦めれなければ、金融業界は実際に動作可能な技術の実装に苦戦することとなる。

 

データ駆動型プラットフォーム

 

こういった不便さによって、スタートアップはブロックチェーンを応用した金融アプリケーションからデータ駆動型のプラットフォームへとシフトし始めるなど、市場におけるブロックチェーン技術のトレンドにも大きな変化が生まれ始めている。

データ駆動型のプラットフォームは、保険、不動産、貿易金融業などにおけるその有用性を証明してきており、ヨーロッパのブロックチェーン関連のトップスタートアップ企業が多くの業界において適用可能な様々な実用的な商品を生み出している。