ビットコイン(BTC)は、1万6000ドルを突破した。現在も続伸しており、3年ぶり過去最高値2万ドル更新なるか注目が集まっているが、ブロックチェーン分析企業チェイナリシスのチーフ・エコノミスト、フィリップ・グラッドウェル氏には気になる3つのトレンドがあるという。最新のニュースレターの中で明かした。

ビットコインとイーサ 違いが明確に

1つ目のトレンドは、イーサリアムの動きだ。ICO(イニシャルコインオファリング)バブルがはじけて以降、仮想通貨同士の交換を手掛ける取引所(crypto-to-fiat exchanges )から仮想通貨を法定通貨に交換できる取引所(crypto-to-crypto exchanges)にイーサリアムの流れが逆転した。今年はDeFi(分散型金融)ブームもあり、2種類の取引所間でのイーサリアムの動きは比較的安定。均衡状態が続いている。

(出典:Chainalysis「イーサリアム 仮想通貨-法定通貨の取引所への資金流入額(オレンジ)とイーサリアム価格(青)」)

グラッドウェル氏が注目した理由は、ビットコインの動きと対照的である点だ。ビットコインは強気相場の様相を呈する中、仮想通貨同士の取引所から仮想通貨-法定通貨の取引所への資金流入が増え続けている。同氏は、ビットコインとイーサリアムが全く異なるマーケットであり異なるユースケースに影響されていることの証左であるとみている。

「2つとも現在は上昇しているが、投資家は相関関係が過去と同じくらい強いと期待するべきではない」

OKEx出金停止 マイナーへの影響

2つ目のトレンドは、OKExの出金停止が始まって以降、バイナンスとフォビにマイニングプールからビットコインが流入し続けていることだ。マイナーは、経費などを払うためにマイニングで獲得したビットコインを取引所に送る傾向がある。ビットコインマイナーの多い中国では、OTC取引などを通じて最終的にバイナンスやフォビ、OKExにマイニングプールから取引所に送られるビットコイン総額の46%が移動していた。

(出典:Chainalysis「マイニングプールから取引所へのビットコインの流れ」)

しかし、10月16日のOKEx創業者拘束、出金停止以降で、バイナンスとフォビの比重が高まっている。

ビットコインキャッシュ売り加速

3つ目のトレンドは、11月15日のハードフォークを前に取引所に送られるビットコインキャッシュ(BCH)が増えていることだ。過去7日間で100万BCH、過去10日間で170万BCHが取引所に流入した。取引所に仮想通貨を送る理由は典型的には法定通貨に変えるためと考えられる。実際、過去10日間でビットコインキャッシュはビットコインに対して14%も下落した。

(出典:Chainalysis「ビットコインキャッシュの取引所流入額(オレンジ)とBTCに対するBCHの比率(青)」)

ブラッドウェル氏は、今回はハードフォークにおいてビットコインキャッシュは売りだとみてる投資家が多いようだと指摘した。