フィンテック系の米VCのパートナーであるカイル・チャップマン氏が、米有力経済誌バロンズに寄稿し次の景気後退局面ではビットコイン(BTC)は上昇、イーサリアム(ETH)は下落、そしてリップル(XRP)は影響を受けないだろうという見方を示した。

チャップマン氏によると、エコノミストの3分の2が次の景気後退は2020年末までに起きると予測している。そうなった時、仮想通貨業界はどうなるのか?「もちろん完全には分からない」としつつも、チャップマン氏は主要仮想通貨3種の値動きについて以下のように予測した。

ビットコイン(BTC)は上昇

チャップマン氏は、ビットコインは景気後退時に安全資産としての役割を果たすだろうと予想。供給量が一人の人間や一つの実体によって管理されておらず、ビットコインは「より幅広い市場からの圧力」から独立した値動きをするとし、いわゆる金に近いパフォーマンスになると指摘。価値保存手段としてビットコインへの投資する機運が高まれば、価格は上昇するとみている。

またデザイン上、「プラットフォームやエンタープライズを構築するための基盤として開発者に使われようという意図がない」こともビットコインの景気後退時の強さにあげた。

イーサリアム(ETH)は下落

対照的にイーサリアムは景気後退時に冴えない値動きになるとチャップマン氏は予想。伝統的な株式市場と近い値動きになるだろうとみている。

チャップマン氏は、その理由を次のように解説した。

「イーサリアムは開発者に焦点を当てたブロックチェーン。イーサリアムのプラットフォームを使ってプロジェクトを作る企業が、どれだけ多いかに依存している。もしこれらの企業が破産すれば、イーサリアムに関係あるもの、すなわち価格は、間違いなく影響を受けるだろう」

先日、仮想通貨イーサリアム(ETH)が全ての仮想通貨の中で一番開発者が多く、ビットコインの2倍以上に上るという調査が報告された。

リップル(XRP)は影響なし

チャップマン氏は、XRPに関して、支払い手段として機能するため、株式市場とは独立した値動きになるだろうと指摘。このため、景気後退による影響はほぼないとみている。

「XRPは主要な市場の範囲外で機能するため、XRPが景気後退の時に独立した動きをみせると考えるのは理にかなうはずだ」

チャップマン氏は、XRPの価格は発行量や普及率に依存すると見ており、もしリップルが他の人気プロジェクトから利用者を奪われたら、価格は下がるだろうと指摘した。